2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671934
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 広島大学, 歯学部, 助手 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧平 清超 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80304450)
二川 浩樹 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10228140)
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
中居 伸行 広島大学, 歯学部, 助手 (90284215)
熊谷 宏 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60284212)
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Keywords | Candida albicans / collagenase / Root caries / collagen / Actinomyces / Lactobacillus / cariogenicity / Streptococcus mutans |
Research Abstract |
本年度はカンジダアルビカンスの産生するコラゲナーゼ様活性についてさらなる検討を行った。 細胞周囲のコラゲナーゼ様活性の測定にはコラーゲン様配列をもつ合成ペプチド(FALGPA)による分解活性測定を行い、このコラゲナーゼ活性の性質について様々な検討を行った。その結果以下の知見を得た。 1.カンジダアルビカンスのFALGPAの分解能は同一ATP当たりではストレプトコッカスミュータンス、アクチノマイセスよりは弱く、ラクトバチラスよりは高かった。また血清アルブミンが存在するときに活性が高かった。 2.FALGPAの分解活性はEDTAによって抑制されたが、セリンプロテアーゼインヒビター(APMSF)やアスパラギンプロテアーゼインヒビター(ペプスタチン)では抑制されなかった。また熱によって失活した。 また合成ペプチド(FALGPA)のみならず、実際のコラーゲンの分解能について検討するため、コラーゲンスポンジとカンジダアルビカンスを共培養した。その結果、血清アルブミン存在下ではカンジダアルビカンスはコラーゲンスポンジを完全に溶解させた。 さらに、カンジダアルビカンスの産生するコラゲナーゼ様酵素の分子量を特定するためにゼラチンザイモグラフィーによる分析を行った。その結果、培養上清中には約116kDa,150kDaの2本のバンドを検出し、このバンドはサンプルの熱処理によって消失したがEDTA処理では消失しなかった。FALGPA分解活性実験とゼラチンザイモグラフィーの結果を検討すると、カンジダアルビカンスは、細胞周囲と培養上清中に少なくとも2つの性質の異なるコラゲナーゼ様の酵素を産生し、この活性は他の細菌と比較して十分なコラーゲン分解能を持つことが示された。したがって、カンジダアルビカンスは象牙質内のコラーゲンのみならず、口腔粘膜のコラーゲンを分解し、様々な組織破壊に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山城啓文: "Candida albicansと根面齲蝕の関連性に関する研究"広島大学歯学会雑誌. 32・1. 1-16 (2000)
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[Publications] Makihira,S. et al: "Bacterial and candidal adhesion to intact and denatured collagen in vitro."Mycoses. (In press).