1999 Fiscal Year Annual Research Report
上部構造物の材質とインプラント体への機能圧および衝撃振動の伝達
Project/Area Number |
11671956
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
萩原 芳幸 日本大学, 歯学部, 講師 (00228389)
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Keywords | インプラント / 振動特性 / フーリエ変換 / 周波数分析 |
Research Abstract |
インプラントは直径3.75mm,長さ13.0mmのサイズのものを用い,ゴム枠を使用して超硬質石膏(フジロック)に埋入しインプラント模型を作成した.測定にあたり,これを万力にて作業台に固定し,各システム純正のアバットメントならびにタイプIII金合金製の下顎小臼歯形態のクラウンを接合した.アバットメントならびに各クラウンのねじ止めにはトルクレンチを用いて10Ncmにて固定した.その後クラウンの舌側面に加速度センサーを接続し,これより衝撃に対するアバットメントおよびクラウンの振動を計測した.衝撃源としてはPeriotestを用い,各試験体ともにクラウンの歯頚部より4.0mm上方の同一部位を均等な距離を持って槌打した.計測はFFTアナライザーを用い,衝撃による振動挙動をフーリエ変換により振動波形と周波数スペクトラムに変換した.使用したアバットメントは,スタンダード,コニカルならびにUCLAタイプで,UCLAタイプを除いてはアバットメントシリンダーとアバットメントスクリューからなるツーピース構造になっている.今回,各種インプラントシステムにおいてアバットメントを可変因子としてその振動挙動を検討した結果,アバットメントの種類により振動挙動の傾向は異なり,特に緩衝作用を有するシリコン製のオーリング等が介在した場合には,振動時間が有意に延長した.衝撃に対する振動のみ伝達は,インプラント体とアバットメントの接合形式により影響を受け,振動時間と周波数ピーク値に有意差が生じた.本実験のではインプラント体自体の振動挙動については不明なために,今後は顎骨内植立のシュミレーションモデルや動物実験等行い,本結果と合わせて評価して行く必要がある.
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