2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672071
|
Research Institution | AICHI-GAKUIN UNIVERSITY. |
Principal Investigator |
中村 昭二 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80175504)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 邦茂 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90175513)
|
Keywords | 咬合関連性頭痛 / 頭痛 / 片頭痛 / 緊張型頭痛 / 不正咬合 / 咬合 / 全身症状 / 歯科 |
Research Abstract |
国際頭痛学会分類では,咬合異常が頭痛の発症因子である記載は見られない.しかし,咬合治療により頭痛が改善することは少なくない.そこで不正咬合と頭痛の関連について,歯科治療を目的として来院した患者の協力を得て調査を行った.前後的に正常被蓋,上顎前突,下顎前突の3タイプに分類し,同様に上下的に正常被蓋,過蓋咬合,開咬に分類した.頭痛の診断は国際頭痛学会分類(IHS)に従って神経内科医が行った.過去1年以内の頭痛経験者を頭痛ありとした. 結果:1.調査対象者1401名の49.2%に頭痛が見られ,そのうち,片頭痛単独が30.2%,緊張型頭痛単独が27.6%,両者の混合性頭痛が36.6%,その他の頭痛が5.6%であった. 2.(1)前後的不正咬合の分類;各不正咬合別頭痛発症率は,下顎前突が65.3%,上顎前突が57.5%,正常被蓋が45.1%の順であった.また正常被蓋と下顎前突は片頭痛が緊張型より多くみられ,上顎前突では逆であった.特に正常被蓋と上顎前突に差(P<0.001)がみられ,正常破蓋では偏頭痛が,上顎前突では緊張型頭痛が多く見られた. (2)上下的不正咬合の分類;各不正咬合別頭痛発症率は,開咬が73.9%,過蓋咬合が58.1%,正常被蓋が43.7%の順であった.また,正常被蓋と開咬では片頭痛が緊張型より多くみられ,過蓋咬合では逆であった.その有意差検定でも正常被蓋と過蓋咬合,過蓋咬合と開咬に差(P<0.001)がみられ同様の所見がみられた. 総括:頭痛の病態に対する詳細はまだ知られていないが,今回の研究から不正咬合の分類と頭痛のタイプに関連があり,いわゆる「咬合関連性頭痛」があることが窺えた. 今後の研究:さらに頭痛と病的咬合因子との関連性を求め,歯科的治療法を確立していく予定である.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 中村昭二: "仮称・咬合関連性頭痛の研究その2.不正咬合分類と頭痛タイプとの関連"日本全身咬合学会雑誌. 7(1)(発表予定)未定. (2001)
-
[Publications] 中村昭二: "咬合関連性頭痛の研究その1.小児における側頭部の緊張型頭痛と片頭痛"日本全身咬合学会雑誌. 6(2). 61-68 (2000)
-
[Publications] SHOJI NAKAMURA: "Headaches due to malocclusion"Cephalalgia. 20(4). 252-253 (2000)
-
[Publications] 中村昭二: "不正咬合と健康(1).矯正治療に期待される健康美"日本全身咬合学会雑誌. 5(1). 51-61 (1999)