Research Abstract |
8週齢雄マウス骨髄細胞を,1,25-dihydroxyvitamin D_3[1,25(OH)_2D_3],NaF存在下で培養したところ,NaF量に依存してMac-1,Gr-1がup-regulateされ,MOMA-2,F4/80はされなかった.また,クロロアセテート・エステラーゼがNaF量に依存して発現し,非特異エステラーゼは影響されなかった.細胞生存率とnitroblue tetrazolium還元能は高濃度(0.5mM)において損なわれ,lipopolisaccharide刺激によるnitric oxide(NO)産生(NO_2生成)は0.2ないし0.3mMにおいて極大を示した.lactate dehydrogenase(LDH),β-glucuronidase, acid phosphatase(ACP)活性は0.2ないし0.3mMにおいて極大を示した.貧食能,付着/浮遊細胞数比,核/細胞質比,ライト・ギムザ染色像,位相差像に大きな変化を認めなかった. こうした変化は基本的に1,25(OH)_2D_3には依存せず,NaF量に依存した変化であると考えられる.HL-60細胞においてNaFと1,25(0H)_2D_3の相乗効果が観察された(Kawase et al.,J Bone Miner Res 11:1676-1687,1996)が,骨髄細胞培養においてはIL-1ないしPGEによる前処理か,8-9日以上の培養が必要に思われる. In vivoでのNaFと薬物負荷,疾病罹患動物へのNaF負荷に際して,LDH,β-glucuronidase, ACP活性を除く上述の検査項目全てに差を見いだすことができない.疾病動物であっても,恒常性維持機能がNaF負荷に対応する結果と思われ,上述のようなin vitro実験によって先ず骨髄細胞分化の指向性を見い出し,しかる後,in vivo実験によって確定するのが確実のように見える.
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