2000 Fiscal Year Annual Research Report
異なる2種類のカルシウムチャネルファミリーの神経系における役割に関する研究
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11672168
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60177516)
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Keywords | カルシウムチャネル / 電位依存性 / TRP / ストア感受性 / 受容体活性化型 / Xenopus卵母細胞 / 大脳皮質ニューロン / Fura-2蛍光 |
Research Abstract |
(1)ヒト脳よりN型電位依存性Ca^<2+>チャネルをコードするα_<1B>サブユニットにおいて2種類のスプライシングバリアントcDNAをクローニングした。ゲノム配列の確認によって,これらがRNAスプライシングによって生成する可能性を調べた。また,これらをヒト胎児腎臓(HEK)細胞に発現させてパッチクランプ法によるチャネル電流の記録を行い,II-III linkerを欠失したバリアントのひとつがω-conotoxinに低感受性のチャネルであることを明らかにした。(2)P/Q型Ca^<2+>チャネルをコードするα_<1A>サブユニットのGタンパク質による調節について生化学的および電気生理学的な解析を行い,膜電位の脱分極に抵抗性を有する抑制がGα_oのN末端領域とα_<1A>サブユニットのC末端ドメインが結合することによって起こることを見いだした。(3)受容体活性化型TRP5チャネルについて卵母細胞系を用いて開口機構の解析を行い,イノシトール三リン酸受容体IP_3-Rの活性化がTRP5チャネルの開口に必要十分条件であることを見いだした。(4)ラット大脳皮質ニューロンにおいてストア感受性Ca^<2+>流入や受容体活性化型Ca^<2+>チャネルが存在することをfura-2蛍光法で明らかにした。また,大脳皮質ニューロンに存在するTRPサブタイプについてRT-PCRを用いて検討し,TRP1,3,5,6の存在を確認した。さらに抗体を用いた免疫染色でもTRP1,5の存在を確認した。
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[Publications] Mariko Kinoshita et al.: "Positive regulation of capacitative Ca^<2+> entry by intracellular Ca^<2+> in Xenopus oocytes expressing rat TRP4"Cell Calcium. 28(3). 151-159 (2000)
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[Publications] Hideaki Kanki et al.: "Opening of mouse TRP5 channels is primarily dependent on activation of IP_3 receptors"Neuroscience Research. Suppl.24. S27 (2000)
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[Publications] Mariko Kinoshita et al.: "Effects of anti-Gα_o-antiserum on G-protein-mediated inhibition of α_<1A> and α_<1B> Ca^<2+> channels"Neuroscience Research. Suppl.24. S27 (2000)