1999 Fiscal Year Annual Research Report
生体による薬物認識の動的変化を考慮した分子設計法の開発
Project/Area Number |
11672215
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中馬 寛 徳島大学, 薬学部, 教授 (20304545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 了 徳島大学, 薬学部, 助手 (50253232)
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
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Keywords | 創薬支援システム / データベース |
Research Abstract |
特定のタンパク質に結合する種々のリガンド分子について、それらの構造的特性として抽出されうる様々な物理化学的性質をタンパク結合因子に選び、結合に適合したリガンド分子を設計するシステムを構築するために、理論計算(分子軌道法電子構造解析、静電ポテンシャル解析、疎水性予測、立体構造解析など)を行うと同時に、これまでに得られてきた物理化学的特徴を蓄積したデータベースを構築した。これら理論科学計算システムとデータベース構築・検索システムを統合し、分子設計を具体的な出力情報としてより効率的に情報処理できるシステムプログラミングするうえで、莫大なデータ処理を可能にするクラスター上でパフォーマンスを低下させることなく分散処理させる手法について、いくつかの報告例を検証している。 一方、具体例として取り上げたウシ心筋ミトコンドリアでエネルギー代謝に重要な役割を果たしているヌクレオチド輸送タンパク質について、種々のリガンド分子の結合活性を測定した。その結果、主たる基質であるプリン塩基のADPに対してピリミジン塩基であるCDPも同程度の結合能を示すことが明らかとなった。また、化学構造を比較した限りでは構造類似性が高いと予想されるプリン塩基のGDP,ADP誘導体などはCDPよりも結合活性は低かった。このことはヌクレオチド輸送タンパク質の結合部位においては、ピリミジン塩基の立体構造よりも静電ポテンシャルなど化学構造式では単純に推測できない構造因子が深く関与していることを示唆しているという、前節に示した構造解析システムへの実証例として有用なデータとなっており、これを用いた更なる解析を検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Chumon et al: "3-D Structure Activity Relationships of Synthetic Pyrethroids"Quantitative Structure-Activity Relationships. 19(印刷中). (2000)
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[Publications] M.Hashimoto,et al: "Fluctuation of the First Loop Facing the Matrix of the Mitochondria"Biochemistry. 38(3). 1050-1056 (1999)