1999 Fiscal Year Annual Research Report
モノカルボン酸輸送系を介したアニオン性薬物の消化管からの吸収性の予測
Project/Area Number |
11672216
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 智夫 北里大学, 薬学部, 教授 (30223168)
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Keywords | ペニシリン系抗生物質 / モノカルボン酸 / 輸送担体 / 経口吸収 / Caco-2細胞 |
Research Abstract |
経口投与されるペニシリン系抗生物質のモノカルボン酸輸送系に対する親和性を調べるために、モノカルボン酸輸送系の代表的な基質であるL-乳酸のCaco-2細胞への取り込みおよび透過(経細胞輸送)に対する阻害能を調べた。細胞内への取り込みの測定にはdish上に培養した細胞を用い、透過(経細胞輸送)の測定にはTranswell上に培養した細胞を用い、細胞外液のpHを6.0とするプロトン濃度勾配存在下で、L-乳酸の取り込みおよび経細胞輸送を測定した。その結果、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、フェネチシリン、プロピシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、カリンダシリン(CIPC)など、生理的条件下で1価のアニオンとして存在するペニシリン系抗生物質は、いずれもL-乳酸の取り込みまたは経細胞輸送阻害したことより、モノカルボン酸輸送系へ親和性を有することが示された。また、生理的条件下で2価のアニオンとして存在し注射剤としてのみ使用されるカルベニシリン(CBPC)と、そのプロドラッグであり経口投与されるCIPCのCaco-2細胞への取り込みおよび経細胞輸送を比較したところ、CIPCの取り込みおよび経細胞輸送のいずれもCBPCの約40倍であることが示された。一方、CBPCはモノカルボン酸輸送系では輸送されないことが示された。従って、CBPCをプロドラッグ化してCIPCとすることによりモノカルボン酸輸送系を介して吸収されるようになることが、吸収改善に大きく寄与している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y-H. Li, K. Ito, Y. Tsuda, R. Kohda, H. Yamada and T. Itoh: "Mechanism of intestinal absorption of an orally active β-lactam"J. Pharmacol. Exp. Ther.. 290(3). 958-964 (1999)