2001 Fiscal Year Annual Research Report
体感音響システムにおける音楽鑑賞態度とリラクセーション効果との関係
Project/Area Number |
11672327
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三瓶 まり 鳥取大学, 医学部, 講師 (90226085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南前 恵子 鳥取大学, 医学部, 助手 (30252878)
前田 迪郎 鳥取大学, 医学部, 教授 (70032208)
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Keywords | 体感音響システム / リラクセーション / プロラクチン / POMS |
Research Abstract |
これまでのボディソニックを用いてのリラクセーション実験では、主観的に高いリラクセーション効果が得られることが明らかになっている。今年度は、出産後の女性を対象にボディソニック臥床を行うことで、産褥期特有のホルモン分泌に変化を及ぼすかについて検討した。実験方法:T大学医学部付属病院産婦人科病棟で正常に出産した健康な女性(以下褥婦とする)6名を対象に出産後3日およぴ5日に実験を行った。実験は1時間のボディソニック臥床を行い臥床前後に採血を行った。ボディソニック臥床の効果判定には、主観的データとしてPOMS(気分プロフィールテスト)の実施およびリラックスの有無などの感想を聴取した。また、身体的な効果としてプロラクチン・オキシトシンを測定した。コントロール群として3名の褥婦からも採血し、対象群の結果と比較検討した。結果:1.実験前の褥婦の心身の状態は気分は全員が良いと答えた。しかし、体調は「よい〜どちらでもない」であり、ストレスの有無については5名が「ある〜どちらでもない」と答えた。ストレスの内容はすべてが疲れであった。実験後は体調は良いと全員が答えながら、ストレスの変化には変化は無かった。2.POMSは実験前は異常領域に4名が属していたが、実験後は正常,`領域に移行していた。また得点別に見ると緊張で実験後低下傾向がみられ、また活気で上昇傾向がみられた。3.プロラクチン、オキシトシンのホルモン量は実験前のプロラクチンの平均は58ng/.ml,実験後は60ng/.mlであり、若干増加していたが、有意な関係はみられなかった。しかし、ボディソニック臥床群と臥床していないコントロール群と比較すると、コントロール群は25ng/.mlであり、有意に高かった。まとめ:ボディソニック臥床によって心理的にはリラクセーション効果があり、それは緊張緩和、活気の上昇ということに強く現れることが推測される。しかし、プロラクチンという褥婦に特徴的に分泌されるホルモンには実験前後に明らかな変化は見られなかったが、実験によってその分泌を促進する可能性が推測された。
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