1999 Fiscal Year Annual Research Report
失語患者のコミュニケーション能力障害に対する改善に関する研究
Project/Area Number |
11672376
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田村 綾子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10227275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 由紀 香川医科大学, 医学部, 講師 (90304592)
南 妙子 香川医科大学, 医学部, 助教授 (60229763)
市原 多香子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10274268)
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Keywords | 失語症 / コミュニケーション / ストラテジー / 復唱 |
Research Abstract |
失語患者のコミュニケーション能力障害の実態を明らかにすることを目的に、平成11年度は、臨床的に失語症と診断された患者4名に対し、標準失語症検査SLTAを実施し、失語症の程度を把握した。ついで、1日(8時間)を設定し、参加観察法を用いて観察を行った。観察方法は、患者と看護婦・医師・家族や面会者・同室者などとのコミュニケーションを研究者が参加観察し、データ収集を行った。参加観察して得られたデータは、その夜即ワープロに入力し整理した。別の日にスーパーバイザーと各場面毎に話し合い、コミュニケーションストラテジーのどれに該当するかを検討した。その結果(1)疾患では、脳腫瘍2名、脳梗塞2名であった。(2)失語症の程度は、重度2名・中等度2名であった。(3)復唱の程度は、重度の患者の正答率は0〜4/15問、中等度の患者の正答率は、11〜14/15問であった。(4)4事例の日常生活程度は、歩行が可能で病院内の往来は自由にできていた。(5)失語症のコミュニケーション・ストラテジーの分類では、聞き返し(39.5%)、うなづき(25.7%)、身振り手振り(21.6%)、回避(13.2%)となった。(6)SLTAでの復唱の程度とコミュニケーション・ストラテジーを分析すると、復唱良好群には「聞き返し」が多く、復唱不良群では「うなづき」を多用していることが明らかとなった。統計学的検定においても、有為であった(P<0.001)。
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