1999 Fiscal Year Annual Research Report
訪問教育対象児童生徒のコミュニケーションと探索手段の開発に関する研究
Project/Area Number |
11680303
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
川住 隆一 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 室長 (20124208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 方志 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (20280571)
石川 政孝 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (20311186)
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Keywords | 重度・重複障害児 / 訪問教育 / コミュニケーション / 探索行動 |
Research Abstract |
本研究は、家庭や重症心身障害児施設等で訪問教育を受けている重度・重複障害児を対象として、運動障害と知的障害に配慮したコミュニケーション手段と探索のための移動手段の開発を行うことを目的としている。3年計画の初年度に当たる本年度は、国立特殊教育総合研究所附属教育相談施設に来談する重度・重複障害児8事例に対し、試行的に、(1)動く玩具等に連結した種々のスイッチ類や入力支援装置の利用の仕方や改善点を検討した。検討に当たっては、子どもの動き、過度の筋緊張の表われ方、意欲、感覚機能の使用状況の観察や、スイッチ操作の援助の仕方も重要な視点であった。また、(2)市販の意思伝達装置が、障害の重い子ども達にどの程度利用可能か、また、利用に際してはどのような工夫が必要かを探った。これまでのところ、一部の音声表出コミュニケーション支援装置(VOCA)は重度の運動障害のある子どもでも利用可能である見通しが得られた。さらに、(3)スイッチを操作することにより非常にゆっくりと動くスクーター・ボードを購入し、これに子どもを乗せたり(座位あるいは臥位)、あるいはこれを子どもが座っている車椅子やバギー車の牽引車として利用することを通して、子どものスイッチ操作の様子や移動中の表情の変化等を観察した。その結果、この装置が自力移動が困難で、かつ操作の難しさから電動車椅子が使用できない子ども達の移動手段になりうる見通しが得られた。次年度においては、本年度の検討内容を踏まえ、訪問教育を受けている重度・重複障害児を直接の研究対象として、事例研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)