2001 Fiscal Year Annual Research Report
訪問教育対象児童生徒のコミュニケーションと探索手段の開発に関する研究
Project/Area Number |
11680303
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
川住 隆一 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 室長 (20124208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 方志 青山学院大学, 文学部, 助教授 (20280571)
石川 政孝 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (20311186)
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Keywords | 重度・重複障害 / 訪問教育 / コミュニケーション / コミュニケーション・エイド / 探索行動 / スイッチ教材 / 入力支援装置 |
Research Abstract |
本研究は、家庭や重症心身障害児施設等で訪問教育を受けている重度・重複障害児を対象として、運動障害と知的障害に配慮したコミュニケーション手段と探索のための移動手段の開発を行うことを目的としている。本研究においてはまず、市販の4種の音声表出補助装置の利用が検討された。その一つであるビックマックは、肢体不自由を主とする重複障害児の中でもある程度の言語理解のある子どもの場合は、それに挨拶言葉や質問の言葉、あるいは、援助を求める言葉を録音すれば、表出手段として単体で用いることが可能であった。この装置はまた、少なくとも「はい」「いいえ」「どちらでもありません/わかりません」という音声を録音した3個を子どもが使用できれば、比較的内容の深い会話が展開できる。しかし会話の内容は、係わり手の質問の仕方(質問内容)に依存するので、子どもが真に言いたいことを聞き出すには、質問の仕方を工夫したり、子どもが使用できる多様な補助・代替手段をとりいれる必要がある。一方、ステップバイステップ・コミュニケーターの導入は、対象とした施設訪問教育対象児とその担任による朝のつどいの風景を一変させた。すなわち、一部の子ども達ではあるが、この装置を使い、教師に代わって司会を務めるようになった。進行上は依然教師の援助を受けているとはいえ、この役割を担うことになった子ども達は、大きな自信を獲得したように思う。移動手段としての電動式スクーターボードの利用は、スイッチの工夫によって、一部の身体部位のわずかな動きしかみられない子どもでも利用可能であることが、昨年度と同様再確認された。ただし、子どもによって探索活動の移動手段として利用する場合と、移動自体をあそびとして利用する場合があった。 本年度は、最終年度に当たるため、上記の内容を含む報告書を作成した。
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Research Products
(1 results)