1999 Fiscal Year Annual Research Report
成層圏・対流圏オゾン測定高精度化のための較正装置開発
Project/Area Number |
11680526
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北 和之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30221914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 真 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00225343)
岩上 直幹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30143374)
|
Keywords | オゾン / 成層圏化学 / 対流圏化学 / 測定法 / 航空機観測 |
Research Abstract |
本研究では、オゾンゾンデなどオゾン測定装置を、測定直前に実際の対流圏上部〜成層圏の気圧まで減圧した状態で較正することにより、観測の精度を向上させることが目的である。 本年度は、まず減圧状況下で正常に較正が行えるかの確認作業を行った。テフロン製の減圧チャンバーを作成して、すでに開発していた圧力コントローラーを用いて、減圧試験を行い良好な結果を得た。そこで、最初はオゾン源としてメーカー製のオゾン較正装置を用いることとして、対流圏上部〜成層圏下部の気圧まで減圧した状態でオゾン較正が可能か試験を行った。その結果、既存のオゾン発生装置を用いた場合では調整が難しいが、0.1気圧までは問題なく減圧して較正が行えることがわかった。実際に、航空機搭載用のオゾン測定装置の較正を行ったが、上部対流圏の気圧を再現して行った150-1000hPaでの試験では、較正直線からのばらつきが全気圧範囲で±3%以内に収まり、較正装置及び観測装置ともに安定に動作していることが確認できた。この観測装置を実際に航空機に搭載して、日本〜オーストラリアでの航空機観測を行い、上部対流圏における広域的なオゾン分布を観測することができた。航空機観測キャンペーン前後で較正結果に変動が出るかどうかも調べたが、差は1%以内と小さく無視できることがわかった。ひとまず、較正が可能なことが確認できたので、調整を簡易・自動化できるよう、オゾン発生装置・測定装置および制御回路などを現在作成しており、来年度はそれらを組み合わせて較正装置として完成させる予定である。
|