2000 Fiscal Year Annual Research Report
開発言説と農村開発:スリランカ、インド、インドネシアの事例研究
Project/Area Number |
11691056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 太郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70304970)
内山田 康 国際開発高等教育機構, 主任研究員
加藤 剛 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60127066)
大木 昌 明治学院大学, 国際学部, 教授 (50121413)
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Keywords | 開発言説 / 公衆衛生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アジア諸社会において行われてきた公衆衛生に関わる社会開発の客観的・実体的把握に加え、政治的、社会文化的に構成され演出されてきた「清潔さ」「衛生」「健康」の関する語りやイメージを把握し、人々の社会開発をめぐる生活世界を解明することである。そして、複数の社会での比較研究をとおして、「開発現象」の共通性と個別性を明らかにすることを目指している。具体的には、(1)スリランカ、インド、インドネシア、さらに今年度からはヴェトナムを加えた地域における公衆衛生プロジェクトの事例研究と、それに付随する様々な「開発現象」の学際的資料の収集、(2)開発言説を軸にした公衆衛生をめぐる新しい開発研究の枠組みの構築の2点である。 昨年度に引き続き、本年度も、保健衛生に関わる開発プロジェクトとして村落給水計画を中心に扱い、インドとヴェトナムを中心的に現地調査を行った。とくにヴェトナムは、急速な市場経済の導入、西欧化、開発計画の参入と、大きく変化を遂げており、貴重な資料が集まりつつある。しかしながら、インドに比して、既存の資料が少なく、いまだに具体的な村落給水計画調査の準備段階に終わっている。 また、村落給水計画調査を行う上で、理論的、方法論的な議論も行った。それは、水道というモノをどのように社会科学の中に取り込むかという問題であり、、またそれをどのように記述するのかという問題でもある。そこで、現地調査と並行して、国際ワークショップ(「開発の民族誌」2001年1月、国立民族学博物館)を組織し、上記の問題を検討した。 現在、これらの活動を踏まえて、最終年度の研究取りまとめを計画している段階である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Uchiyamada,Y,: "Industrial sewing machines, work-disciplines and aesthetics -Of anthropological cliches and a letter from Bohol."CRITIQUE OF ANTHROPOLOGY. 20・3. 243-264 (2000)
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[Publications] 山本太郎: "性感染症対策"『診断と治療』. 80・8. 1295-1299 (2000)
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[Publications] 大木昌: "ジャワ史における疫病:19世紀初頭から20世紀初頭まで"Discussion paper/Graduate School of International Development, Nagoya University. 82. 1-35 (2000)
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[Publications] 足立明(共著): "『地域発展の固有論理』(原洋之介編著)"京都大学学術出版会. 312 (2000)