2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規医薬資源としてのインドネシア底生海洋生物の調査(第2次)
Project/Area Number |
11691208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 淳一 琉球大学, 理学部, 助教授 (20163529)
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (60252699)
比嘉 辰雄 琉球大学, 理学部, 教授 (10101461)
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Keywords | インドネシア / 海洋生物 / 医薬資源 / 海綿 / 生物活性 |
Research Abstract |
インドネシアは、赤道を挟んで1万7千以上の島々が東西に分布した国土を有しているが、それらの島々のサンゴ礁に生息する海綿や軟サンゴなどの底生海洋生物の分布については殆ど知られていないのが現状であり、新しい医薬資源探索の面から非常に魅力に富んでいる。しかしながら、インドネシアにおいても環境破壊が進行しており、未だ科学的な調査のされていない夥しい数の底生海洋生物が確実に失われつつある。以上のような背景をふまえて、新しい医薬リード化合物の開発を目的としてインドネシアサンゴ礁域における底生海洋生物の調査研究を行っている。 本学術調査には、日本側から天然物化学、海洋生物学を専攻する3名と、インドネシア側共同研究機関であるインドネシア科学院(LIPI)の海洋研究所の2名、そしてランプン大学理学部から研究協力者1名の他、スキューバダイビングができる2名のテクニシャンが参画し、インドネシア、南部スラベシ州ケンダリ地域を本年度の重点調査地域として、以下の調査を行った。 1.底生海洋生物の調査採集:調査用ボートもしくは小型漁船をチャーターして、沿岸サンゴ礁域をスキューバダイビングにより広範に探索し、海綿、ホヤ、軟サンゴ等の底生海洋生物の調査・採集を行った。 2.調製した各底生海洋生物の抽出エキスについて、生物活性スクリーニング試験を行っている。活性が見られた抽出エキスについては、さらに活性成分の分離精製を進めており、単離した活性成分の化学構造を決定していく予定である。 3.インドネシア側研究分担者2名を日本に招聘して、共同で試料の整理を行うとともに、今後の調査地域や実施方法について詳細に討議した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Murakami: "Synthesis of amide analogs of arenastatin A"Tetrahedron. 56. 9121-9128 (2000)
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[Publications] N.Murakami: "Participation of the conjugated diene part for potent cytotocity of callystatin A, a spongean polyketide"Bioorg.Med.Chem.. 8. 2651-2661 (2000)
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[Publications] N.Murakami: "New multidrug resistance modulators from Atractylodis Lanceae Rhizoma"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 10. 2629-2632 (2000)
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[Publications] N.Murakami: "Synthesis and evaluation of 4-deacetoxyagosterol A as an MDR-modulator "Bioorg.Med.Chem.Lett.. 10. 2521-2524 (2000)
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[Publications] S.Aoki: "Lembehyne A, a novel neuritogenic polyacetylene, from a marine sponge of Haliclona sp."Tetrahedron. 56. 9945-9948 (2000)
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[Publications] M.C.Roy: "New cyclic peptides from the Indonesian sponge Theonella swinhoei"Tetrahedron. 56. 9079-9092 (2000)