2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694014
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Research Institution | Independent Administrative Institution, National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 明義 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 所長 (00249913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 徹英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 研究員 (00321555)
早川 泰弘 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (20290869)
三浦 定俊 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
淺湫 毅 京都国立博物館, 学芸課, 研究員 (10249914)
中村 康 京都国立博物館, 学芸課, 文化財管理官 (30249916)
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Keywords | 美術史 / 彩色 / 保存 / 修復 / 文化財科学 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Research Abstract |
伝統的な絵画、彫刻、建造物などの文化財に用いられている彩色文化財の技法と材料について、美術史研究者、伝統技術者、自然科学者が共同して研究と調査を行った。今年度は、7月から8月にかけて南ドイツ(バイエルン地方)の中世彩色木造彫刻をドイツ側研究者と共に調査した。調査を行ったのはアルトミュンスターの聖アルト修道院、オツトーボイレンの修道院、バイアバッハの聖母教会、ロットアムインの教会、エリングアムインの聖アンナ教会などである。アイヒシュテッテンのクレマー絵具工場では古くから彩色に用いられている種々の顔料について調査した。中でもスマルトと呼ばれる青色の顔料は含まれる微量成分によって黄色から緑色まで変化した色味が得られることや、今回の研究を通じて我が国でも使用されている可能性が大きくなった緑土(テールヴェルト)の製法などについて新しい知見が得られた。また8月3-4日にはバイエルン州立文化財研究所で日独の歴史的彩色技法についてシンポジウムを開催し、博物館、美術館から80名以上の参加者があった。さらにボンではドイツ連邦政府の担当者と今後の研究の進め方について会議を行った。ドイツ側研究者は11月から12月にかけて来日し、東京の明珍修復工房、放光堂(絵具製作)、切金工房で彩色技法についての調査を行うとともに、知恩院、平等院、奈良国立博物館、東大寺などで彩色文化財を調査した。また12月1日にはドイツ側研究者を含む85名あまりの参加者を得て、日独の彩色文化財について共同研究会を開催した。この他、ポータブル蛍光X線装置を用いて、絵巻物など国内の彩色文化財の顔料測定を行い、修復や模写のために利用した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 津田徹英: "滋賀・錦織寺天安堂毘沙門天像と天台系所伝岬北方毘沙門天王軍護法真言外の周辺"日本宗教文化史研究. 5・1. 67-89 (2001)
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[Publications] 三浦定俊: "見えないものを見る画像処理"文化財保存修復学会編文化財の保存と修復3 クバ・プロ刊. 49-54 (2001)
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[Publications] 津田徹英: "醍醐寺霊宝館の如意輪観音像"醍醐春秋. 38. 16-32 (2001)
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[Publications] 早川泰弘: "大倉文化財団普賢菩薩騎象像の表面彩色の蛍光X線分析"MUSEUM(東京国立博物館研究誌). 574. 32-36 (2001)
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[Publications] 早川泰弘, 三浦定俊 他3名: "国宝源氏物語絵巻にみられる彩色材料について"保存科学. 41(印刷中). (2002)
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[Publications] 三浦定俊: "古美術を科学する-テクノロジーによる新発見-"(株)廣済堂出版. 205 (2001)