2000 Fiscal Year Annual Research Report
高品質単結晶育成を目指した微小重力場におけるマランゴニ対流の解明
Project/Area Number |
11694176
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 敦寛 日本学術振興会, 特別研究員
新船 幸二 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10318777)
常田 聡 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30281645)
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Keywords | マランゴニ対流 / 界面張力差駆動対流 / 微小重力環境 / 結晶成長 / 数値シミュレーション / 熱流束 / 落下塔 |
Research Abstract |
融液から電子材料用・光学材料用単結晶を育成する際,マランゴニ対流(界面張力差駆動対流)は育成単結晶の品質に大きく影響を及ぼすため,育成単結晶の高品質化を図る上でマランゴニ対流の微細機構を明らかにする必要がある。そこで本研究では,落下塔を用いた本格的な微小重力場を利用し,重力対流の無い、真のマランゴニ対流現象を観察し、加えて実験と同様の数値シミュレーションを実施することにより、マランゴニ対流現象の微細機構を明らかにすることを目的としている。本年度は、以下の研究を実施した。 (1)昨年度に開発した矩形型実験装置を落下カプセル内に設置し、ドイツ・ブレーメン大学の落下塔(微小重力時間:4.5sec)にて微小重力実験を実施した。その結果、重力変化に伴う矩形容器内流動は、落下開始1.5秒程度の間で発生し、4.5秒後には、ほぼ定常状態に遷移することが明らかになった。この結果は、同時に行った数値解析及びスケーリング解析の結果と一致した。 (2)昨年度に開発した非定常数値計算コードを用い、μGにおける液柱内部熱流動現象の数値解析を行った。その結果、固液界面上の熱流束は、液柱最外周部で最大値を示し、液柱最外周から液柱長さ程度内側で最小値を示す事が明らかになった。さらに詳細に検討した結果、液柱長さを代表長さとした無次元座標、流動の駆動力を表すマランゴニ数、流体熱物性を表すプラントル数を導入することにより、固液界面上の熱流束分布を統一的に評価し得る事を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 平田彰,新船幸二,木下敦寛,桜井誠人,高橋正臣: "重力場及び微小重力場における液柱内固液界面上の熱流束"化学工学シンポジウムシリーズ,発刊予定. (2001)
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[Publications] K.Arafune,K.Yamamoto,A.Hirata: "Interactive thermal and solutal Marangoni convection during compound semiconductor growth in a rectangular open boat"Int.J.Heat Mass Transfer. 44(13). 2405-2411 (2001)
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[Publications] K.Arafune,A.Kinoshita,Y.Fujiwara,A.Hirata: "Characterization of Oscillatory Marangoni Convection in Liquid Bridges"Proc.51^<st> International Astronautical congress. IAF-00-J.4.02. 1 (2000)
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[Publications] M.Sakurai,J.Leypoldt,H.Kuhlmann,H.Rath: "Thermal Marangoni Instability in an Rectangular Open Boat"Proc.Drop Tower Days 2000. 17-18 (2000)
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[Publications] M.Sakurai,J.Leypoldt,H.Kuhlmann,H.Rath: "Instability of Marangoni Convection in a Rectangular Cavity"Proc.16th Japan Microgravity Application Congress. 17. 103-104 (2000)