2000 Fiscal Year Annual Research Report
非線形モデルを用いた四輪車両の軌道追従と微分ゲームに関する実験的研究
Project/Area Number |
11750178
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大塚 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40272174)
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Keywords | 四輪車両 / 軌道追従 / 非線形制御 / 最適制御 / Receding Horizon制御 |
Research Abstract |
昨年度の研究により,四輪車両の目標軌道追従制御に非線形receding horizon制御を適用する際,キネマティックモデルに対しては制御アルゴリズムが実時間計算可能なことが分かった.しかし,計算条件によっては数値的困難が生じることがあり実装は困難であった.また,より複雑なダイナミックモデルに対しては計算時間が十分短くなかった. そこで,本年度は,非線形receding horizon制御のための高速かつ数値的に安定なアルゴリズムの開発を目指した.まず,従来のアルゴリズムの利点と欠点を分析すると,連続変形法を利用して解の時間的変化を逐次計算無しに追跡するという考えは原理的に妥当であるが,その追跡の際に複雑なRiccati型行列微分方程式を解かなければならないために計算量が増大してしまうと考えられた.また,アルゴリズムを連続時間で導出しているため,実装の際の離散化により数値的安定性が損なわれていると考えられた. 以上の問題点の解決方法を探った結果有望と見られるのは,最初から離散時間で問題を定式化し,かつ,大規模連立一次方程式の数値解法を応用することでRiccati型行列微分方程式を用いずに解の追跡を行う,というアルゴリズムであった.実際,そのアルゴリズムをいくつかの問題に適用してみたところ,従来手法と比較して大幅に高速かつ数値的に安定であることが分かった.また,解析的にアルゴリズムの安定条件を導くことができ,数値計算結果と良く一致した.さらに,数式処理ソフトウェアを利用したシミュレーションプログラム自動生成システムも開発した.本年度の研究により,実用性の高い非線形receding horizon制御アルゴリズムが開発できた.今後は四輪車両も含めてさまざまな応用を目指す.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大塚敏之: "Mathematicaを用いた非線形Receding Horizon制御の自動プログラミング"システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集. 17-18 (2000)
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[Publications] T.Ohtsuka: "Automatic Code Generation System for Nonlinear Receding-Horizon Control"Proc.of Asian Control Conf.. 1495-1499 (2000)
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[Publications] 大塚敏之: "連続変形法とGMRES法を組み合わせた非線形Receding Horizon制御の高速アルゴリズム"計測自動制御学会学術講演会論文集. 106A-2 (2000)
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[Publications] 大塚敏之: "非線形Receding Horizon制御に対する連続変形/GMRESアルゴリズムの誤差解析"Dynamical System Theoryシンポジウム講演論文集. 207-210 (2000)
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[Publications] T.Ohtsuka: "Continuation/GMRES Method for Fast Algorithm of Nonlinear Receding Horizon Control"Proc.of Conf.on Decision and Control. 766-771 (2000)