1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニラのディプロスポリー系統に特異的に発現する遺伝子群の探索に関する研究
Project/Area Number |
11760009
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
松田 靖 九州東海大学, 農学部, 助手 (90289629)
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Keywords | ニラ / アポミクシス / ディプロスポリー / 胚珠培養 / 半数体 |
Research Abstract |
本研究では,アポミクシスの中でも研究報告例の少ないディプロスポリーを対象とし,本形質に関連する遺伝的子群の探索を目的として実験を行った.アポミクシスという現象は一般的に高次倍数性個体で認められ,倍数性の低下とともにその発現が見られなくなることが知られている.そこで,初年度の今年は,未受粉花の胚珠-胚培養によるニラの2倍性半数体個体誘導を試み,ディプロスポリー発現程度の異なる系統の作出を図ることとした. アポミクシス率が既に明らかにされており,さらに四季咲き性であることから,供試材料として花ニラ用栽培品種である'テンダーポール'および'フラワーポール'の2品種を選抜した.これら2品種は条件的アポミクトであるが,そのアポミクシス率は97%程度と非常に高いものである.これらの植物体から摘出した開花前の花蕾(未受粉花)を,7%ショ糖を添加したホルモン無添加のBDS培地で培養し,子房の成熟を促した.その後,成熟した個々の子房から胚珠を取り出し,3%ショ糖を添加したホルモン無添加のBDS培地に移植し胚の発育を誘導した.'テンダーポール','フラワーポール'からそれぞれ1767,1366個の胚珠を摘出し前述した手順で培養を行ったところ,2.72%,3.37%の頻度で植物体形成が認められ,合計94個体が得られた.現在得られた個体の育成を図りながら,フローサイトメーターおよび根端押しつぶし法により培数性の確認を行っている.
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