1999 Fiscal Year Annual Research Report
正常ヒトおよび筋萎縮性側索硬化症脊髄におけるグルタミン酸受容体の検討
Project/Area Number |
11770322
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
富山 誠彦 弘前大学, 医学部付属病院, 助手 (40311542)
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Keywords | 代謝型グルタミン酸受容体 / mGluR / ヒト脊髄 / 興奮性アミノ酸 / 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)のmRNAの分布をin situ hybridization法を用いてヒト脊髄で検討した.HmGluR1,HmGluR2,HmGluR3,HmGluR4,HmGluR5,とGroup I mGluR(mGluR1とmGluR5)のスプライスヴァリアントであるHmGluR1a,HmGluR1bとHmGluR1bおよびHmGluR5aとHmGluR5bに特異的なオリゴヌクレオチドプローブを作成し,ヒト脊髄にてそれらのmRNAの分布,細胞局所を明らかにした.ヒト脊髄ではmGluR1,mGluR4とmGluR5のmRNAの発現が認められたが,mGluR3とmGluR4のmRNAは発現していなかった.mGluR1 mRNAは脊髄灰蛋白質に広範に分布していた.mGluR1a mRNAの発現は認められず,mGluR1b mRNAは前角細胞に強く,後角にも発現していた.一方,mGluR1d mRNAは前角細胞にのみ認められた.mGluR4の信号は前角細胞に中程度,後角にも軽度認めた. mGluR5 mRNAは後角に強く,他の灰白質に弱く発現していた.mGluR5aの発現はmGluR5と同様であったが,mGluR5bの発現は後角に限局していた.これらの脊髄でのmGluR mRNAの発現パターンの違いは脊髄神経細胞間における生理的役割の違いを示したものと考えられる.
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