2000 Fiscal Year Annual Research Report
Mll遺伝子変異マウスを用いたMll遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
11770573
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
八木 秀司 福井医科大学, 医学部, 助手 (10303372)
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Keywords | Mll / Hox / 遺伝子変異マウス |
Research Abstract |
1.MllがHox遺伝子を介して造血幹細胞の分化増殖に関与していることを明らかにするため、幾つかの因子のin vivoでの発現を検討した。以前、Mll遺伝子変異マウスの胎仔肝臓で発現低下を認めたHoxa9の発現を検討した。Hoxa9に対するprobeにてMll遺伝子変異マウスを用い、まずwholemount in situ hybridizitionを行った。しかしながら、発現に明らかな異常を認めなかった。そこでMll遺伝子変異マウスの切片を作製し、in situ hybridizationを行っている。 2.我々の作製したMll遺伝子変異マウスでは頚椎の異常を認めており、今までのHox遺伝子欠損マウスの報告より、もっとも頚部の異常が似通っているものとしてHoxb4の発現がこのマウスにおいて変化していることが考えられた。そこで、胎生10.5日のMll遺伝子変異マウス及びヘテロ接合体、正常マウスを用い、Hoxb4及びHoxb3のwholemount in situ hybridization法を行った。しかしながら今回行ったHoxb3、Hoxb4では明らかな頚部での発現部位の異常は認めなかった。そこでHox遺伝子の発現部位の異常ではなく、発現量の低下が原因ではないかと考え、胎仔の全身のRNAを用いてRT-PCR法により、Hox遺伝子群の発現を調べた。Hoxb3,及びHoxb4の発現は胎生10.5日においてMll遺伝子変異マウスはへテロ接合体と同じレベルの発現を認めた。一方Hoxa7の発現は胎生9.5日、胎生10.5日におけるMll遺伝子変異マウスでは正常、ヘテロ接合体と比較し低下していた。これらの結果より、Mll遺伝子変異マウスの頚部の異常はHox遺伝子の発現部位の変異を反映しているのではなく、Hox遺伝子の発現量の異常により引き起こされたものであると考えられた。このHox遺伝子の異常は最初に注目したHoxb群ではなく、以前、我々が報告した造血異常の原因と考えられる胎仔の肝臓で異常のあった、Hoxa群の発現量の変化によるものと考えられた。すなわち、MllはHoxb群の発現のコントロールにはあまり関与せず、Hoxa群の発現のコントロールに重要な役割を担っていると考えられた。今後、Hoxa7のみでなくHoxa9また、頚部に関係あるHoxa4の発現量の定量さらには、Hoxc群、Hoxd群の発現量も検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ijichi,H.: "Molecular cloning and characterization of a human homologue of TBPIP, a BRCA1 locus-related gene."Gene.. 248(1-2). 99-107 (2000)
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[Publications] Nagano T.: "A2-Pancortins (Pancortin-3 and -4) are the dominant pancortins during neocortical development."J Neurochem.. 75(1). 1-8 (2000)
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[Publications] Keng V.W.: "Homeobox Gene Hex Is Essential for Onset of Mouse Embryonic Liver Development and Differentiation of the Monocyte Lineage."Biochem Biophys Res Commun.. 276. 1155-1161 (2000)