1999 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素物配合フッ化剤のpHがフルオロアパタイト形成に及ぼす影響
Project/Area Number |
11771328
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀内 信也 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70263861)
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Keywords | フッ素 / 齲蝕予防 / フルオロアパタイト / フッ化ジアミンシリケート / ハイドロキシアパタイト / フッ化カルシウム / フッ素化 / ケイ素 |
Research Abstract |
本研究は、フッ化剤(フッ化ナトリウム)にてハイドロキシアパタイトを処理する際、ケイ酸塩を添加するとハイドロキシアパタイトへのフッ素の取り込み量が増加するという知見に基づいて計画されたものである。一般に、ハイドロキアパタイトをフッ化剤にて処理した場合フッ化カルシウムとフルオロアパタイトとが生成されるが、直接の歯質強化作用を有するものはフルオロアパタイトといわれており、フッ化カルシウムは唾液中へと溶解してしまう。が、このフッ化カルシウムは、生成時に処理溶液のpHを大きく上昇させるため、pHのモニタリングを行うことによって、フッ化剤処理後のハイドロキシアパタイトが、どの程度のフッ化カルシウムへと置換したかの目安となる。 これまでの研究ではフッ化剤を中性領域にて使用してきたが、本実験では本年度研究計画にのっとり、フッ化剤のpHを酸性領域(pH6.4)とアルカリ性領域(pH8.4)に拡大してハイドロキシアパタイトの処理を試み、そのpHをモニターした。処理溶液のpHを滴定装置を用いて塩酸を滴下することによりpH6.4に固定し、ケイ酸塩を添加したところ、pH7.4にて検討を行った場合と同様に、ケイ酸塩の添加により、滴下塩酸量が抑えられるという結果が得られた。しかし、pHを8.4に固定し検討を行ったところ、予想されたpHの上昇は、ケイ酸塩の有無にかかわらず全く起こらなかった。また、フッ化剤処理後に得られた試料の量も、処理pHや、フッ化剤中のケイ酸塩濃度によって大きく異なっていた。これらについては、次年度に予定されている処理後ハイドロキシアパタイト粉末の組成の分析にて検討する予定である。
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