2000 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線による発光生物のゆらぎ計測システムの構築と癒し効果の検証に関する研究
Project/Area Number |
11780109
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
稲垣 照美 茨城大学, 工学部, 助教授 (90184712)
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Keywords | ホタル / 光のゆらぎ / 1 / fゆらぎ / 福祉応用 / 環境 / 科学教育 / 癒し / 感性評価 |
Research Abstract |
本研究は、日本の豊かな自然環境の象徴の一つであり、幻想的な光で古くから日本人の心を魅了している昆虫"ホタル"を取り上げ、その発光現象中に人に対してどのような癒し効果が含まれているのかについて実験的な検討を行ったものである。まず、平成11年度には、ホタルの発光現象を計測・解析する光計測処理システムを新たに構築し、関東エリアにおいてフィールド計測を開始した。平成12年度には、四国エリアにも広げてフィールド計測を継続しつつ、統計解析や画像処理などの工学的技法を応用してホタルの発光現象を解析・評価し、人の精神に安らぎを与える効果があると言われている1/fゆらぎを始めとする様々なゆらぎ現象について考察を進めた。また、各地で開催されているホタル鑑賞会などにおいても、感性工学に基づいた意見サンプルを充分に採取し、ホタルの発光現象が人の精神に及ぼす影響を評価した。 その結果、ホタルの発光輝度変動・発光間隔変動・輝度差変動には、人の網膜が反応することの出来る中低周波数域において1/fゆらぎが存在することを初めて明らかにすることができた。これには、十分な癒し効果が期待できるものと考えられ、ホタルを活用したヒーリング機器や福祉機器への応用が十分に期待できることが予想された。また、ホタルの発光パターンが有する癒し効果については、感性工学的な立場からもその有効性を統計学的に確認することができた。したがって、本研究から得られた知見は、今後、ホタルを利用したヒーリング機器や福祉機器の開発を展開研究して行く上での基礎と成り得るものである。 なお、一連の研究成果は、日本機械学会へ研究報告したばかりではなく、NHKテレビ・ラジオや日本工業新聞などのメディアなどにおいても報道された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲垣照美: "ホタルの発光パターンにおける1/f^nゆらぎ現象と癒し効果"日本機械学会論文集C編. (印刷待ち). (2001)
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[Publications] 稲垣照美: "癒し空間創造へ向けたホタルの発光現象とそのスペクトル解析"2000年度日本機械学会年次大会講演論文集. No.1419. (2000)
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[Publications] 稲垣照美: "蛍光パターンにおけるゆらぎ現象について"日本機械学会茨城講演会論文集. No.313. 89-90 (2000)
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[Publications] 稲垣照美: "ホタルの発光における癒し効果の感性工学的な評価について"日本機械学会福祉工学シンポジウム論文集. (発表予定). (2001)
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[Publications] 稲垣照美: "生体情報に基づいたLEDホタルロボットの開発とその癒し効果"日本機械学会福祉工学シンポジウム論文集. (発表予定). (2001)
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[Publications] 阿部宣男: "ゲンジボタル大量発生へ向けた多様な微生物による「せせらぎ」空間造りに関する研究"日本機械学会第10回環境工学総合シンポジウム論文集. No.324. 277-278 (2000)