1999 Fiscal Year Annual Research Report
イメージスキャナを用いた書籍表面および3次元物体の形状復元
Project/Area Number |
11780276
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浮田 浩行 徳島大学, 工学部, 助手 (60284311)
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Keywords | 3次元形状復元 / イメージスキャナ / 陰影からの形状復元 / 固有空間法 / 書籍表面 / 複数光源 / フォトメトリックステレオ / 非線形最小ニ乗法 |
Research Abstract |
本研究は,イメージスキャナを用いて書籍表面や一般的な3次元物体の形状復元手法について検討することを目的としており,本年度は,固有空間法を用いた形状復元法とイメージスキャナ内の複数の光源を利用した形状復元方法について検討した.固有空間法を用いた形状復元方法とは,まず,あらかじめいくつかの書籍表面の画像とその断面形状を取得し,陰影情報と形状情報をそれぞれ固有空間中の多様体に変換する.そして,与えられた書籍表面画像の陰影情報から,多様体を用いた線形補間によって,その書籍断面形状を推定する方法である.しかし,単純な線形補間では正確な形状が得られないことが分かり,本研究では新たに固有空間を構成する陰影情報に含まれる誤差を考慮した線形補間方法を提案し,実験によって,より精度良く形状を復元できることを確認した.この内容については,平成11年10月電子情報通信学会PRMU研究会にて報告し,現在,同学会論文誌に投稿中である.一方,より一般的な物体の形状復元を行うため,イメージスキャナ内の3つの光源を用いた形状復元方法についても検討を行った.この方法は,一般にフォトメトリックステレオ法と呼ばれる手法に属する.しかし,イメージスキャナの光源は線光源とモデル化され,表面の法線方向だけでなく光源からの距離に応じて反射光強度が変化するため,複雑な光学モデルとなる.そこで,非線形最小二乗法を用いた形状復元方法を構成し,また適切な初期値を得るため,光源からの距離と物体表面の法線方向を交互に反復して求める方法を考案した.そして,曲面物体を撮影した画像を用いて形状復元が可能であることを確認した.来年度は,様々な反射特性を持つ物体の形状復元方法や,部分的に得られた物体の形状を統合する方法等について検討し,イメージスキャナを用いた,一般的な物体の形状復元手法を確立したいと考えている.
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