1999 Fiscal Year Annual Research Report
下水浄化センターからの高速・高効率消化メタン・エネルギー回収技術の創成
Project/Area Number |
11794002
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70169035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30193072)
関口 勇地 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20313570)
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
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Keywords | エネルギー / 有機性廃棄物 / メタン / 嫌気性消化 / 下水汚泥 / 微生物生態 / 分子生物学 / 下水処理 |
Research Abstract |
先進国における大量消費・大量廃棄や途上国でみられる人口爆発が今後も続く限り、21世紀に地球規模での環境負荷の増大,自然の資源・エネルギー制約が顕在化し,人類社会や地球生態系は大きな影響を受けると予想される。このため、廃棄物において回収可能なエネルギーの有効利用を行うとともに,省資源,省エネルギーに努力することは今日の重要な課題である。そこで本研究では,下水余剰汚泥の処理方法として現在広く普及している嫌気性消化法をより明らかにすることにより,高速・高効率化させて下水浄化センターからメタンガスとしてエネルギーを有効的に回収する技術を創成することを目的とする。 熱力学的な考察から,現状の下水浄化センターでの余剰汚泥からメタンガス・エネルギーを取り出す方法よりも,下水を直接に嫌気性処理するほうが,約2倍もエネルギーを回収できることが分かった。このエネルギー回収量は,処理のために必要なエネルギーよりも3倍以上もあることから,エネルギー消費施設からエネルギー製造センターへの転換が可能であり,国内消費エネルギーの約2%に相当することが分かった。 下水余剰汚泥の高速・高効率消化を計るには,リアクター内に高濃度の微生物を保持することが最も重要であり,スポンジ固定担体をリアクターに充填し,その効用を実験より検討しているが,まだ期間が短くて明瞭な結果を得るまでには至っていない。しかし、分子生物学的手法を用いて微生物叢動態の解析を実施中であるが,これまでにメタン発酵に重要と推察される細菌の単離に成功した。
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[Publications] Y. Sekiguchi: "Fluorescence in situ hybridization using 16S rRNA targeted oligonucleotides reveals architecture of methanogens and selected uncultured bacteria in mesophilic and thermophilic sludge garanules"Applied and Environmental Microbiology. Vol.65. 1280-1288 (1999)
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[Publications] 多川正: "新規の多段型UASB反応器による脂質・タンパク質含有廃水の高温嫌気性処理パイロットプラント実験"環境工学研究論文集. Vol.36. 431-441 (1999)