1999 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノールの大腸デリバリー化による大腸潰瘍発症予防の研究
Project/Area Number |
11794037
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 孝治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00150798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (90281500)
芝田 信人 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60319449)
高田 寛治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30102106)
吉川 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30278444)
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Keywords | ポリフェノール / 炎症性病変 / 大腸デリバリー / 圧感応性カプセル / エラグ酸 / モノクロラミン胃損傷 |
Research Abstract |
今年度は予備検討として、1)ポリフェノールの一つとして、ウイスキー中に多量に含有されているエラグ酸を被験薬として、胃腸粘膜に対する影響および抗酸化作用の検討(竹内、加藤)、および2)大腸デリバリー化のための圧感応性カプセルの開発(高田、芝田、吉川)をそれぞれ行なった。 1)エラグ酸はエタノールおよびモノクロラミンの胃内投与によって誘起される胃損傷、ならびに虚血下にアンモニアを胃内に適用することにより内因性モノクロラミンによって誘起される胃損傷に対し用量依存的な抑制作用を示した。その他、インドメタシン誘起小腸損傷に対しても有意な粘膜保護効果も観察された。in-vitor実験により、エラグ酸は顕著な抗酸化作用(酸化ラジカル消去作用)を示し、その効果はSOD(superoxide dismutase)に匹敵することも判明した。 2)ポリフェノール類の大腸デリバリー化を行うのに必要な汎用性のある圧感応性大腸デリバリーカプセルPressure-controlled colon delivery capsule(PCDC)の設計を行った。方法としては、ディップ法により水不溶性ポリマーであるethylcellulose(EC)の17%ドープにステンレス製のサイズIピンを浸し、風乾にて先ずEC皮膜を作製した。次に3種類の腸溶性ポリマーのドープ水溶液に2回目のディッピングを行い、腸溶性皮膜を形成した。風乾後、カプセルキャップおよびボディとして切断することによりPCDCを調整した。得られたPCDCの大腸デリバリー性能を評価するために、ポリフェノール類のモデルとしてfluorescein(FL)を充填し、in-vitorで崩壊圧測定、in-vivoビーグル犬における薬物動態実験行った。その結果、EC膜圧40オm、腸溶性ポリマー膜圧100オmのPCDCにおいては良好な大腸デリバリー性能が得られた。 これらの結果は、エラグ酸がポリフェノールとして抗酸化作用により、炎症性大腸炎に有効性を発揮する可能性を示唆するものと思われる。 これらの成績を基に、次年度からは潰瘍性大腸炎モデルとしてDSS誘発大腸炎をラットで作製し、ポリフェノール類(エラグ酸など)および不飽和脂肪酸(リノレン酸、ミンド酸)の効果について大腸をターゲットとして投薬法によって検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Zhaopeng Hu et al.: "Technology to obtain sustained release characteristics of drugs after delivered to the colon"J.Drug Target. 6. 439-448 (1999)
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[Publications] 木村豪 他: "大腸ターゲティング徐放製剤技術"Durg Deliv.Sy.. 14. 191-196 (1999)
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[Publications] 高田寛治: "精製技術(DDS)の現状と将来―経口製剤"日病薬誌. 35. 917-922 (1999)
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[Publications] 胡兆鵬 他: "生体磁気装置による磁気化大腸デリバリーカプセルのヒトにおける大腸到達性の評価-r-シンチグラフィに代わる非侵襲的手法の試み"臨床薬理. 30. 253-254 (1999)
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[Publications] Masakazu Ueda et al.: "Ulcorogenic and healing impairing acrions of monochlotamine in rat stomachs:Effects of zinc L-carnosine,polaprezinc"J.Gastroenterol.Hepatol.. 14. 859-865 (1999)
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[Publications] Hideichiro Yamamoto et al.: "Protective Effect of Irsogladine,A Novel Antiulcer Drug,on Monochloramine-Induced Gastric Mucosal Lesions in Rats-Comparative Study with Rebamipide-."W.J.Gastroenterology. 5. 477-482 (1999)