1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11833005
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 助教授 (10291957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 聡 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10236812)
河田 雅圭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90204734)
長谷川 孝博 静岡大学, 工学部, 助手 (40293609)
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Keywords | 種分化 / 性淘汰 / 個体ベースモデル / 強化 / 陸生貝類 / シミュレーション / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究は、シミュレーションによる理論的研究と化石や分子系統による実証的研究の二つのアプローチで行った。カノニカルな性淘汰モデルとして、交雑による適応度の低下が伴わない場合の性淘汰(量的遺伝子を仮定)の個体ベースモデルを作成した。つまり、交雑による悪影響を排除した基本モデルである。このモデルを用いて、各種のメスの選択の仕方を設定して、生殖隔離後に2つの個体群が交雑したときに、生殖隔離が起こり、または、強化され、完全な種分化に至るかを無数のシミュレーション実験により数値解析した。このとき、条件により、種分化が確率的に比較的頻繁に起こることを確認した。また、このモデルの遺伝子型や個体数など各種のパラメータ特性を変えてその結果がどのように変化するか、膨大な数のシミュレーションを実行して、感度分析を実行した。この結果から、遺伝子の数は、種分化の頻度に影響はするが、その影響の仕方は、メスの選択の仕方によって異なり、ある場合は遺伝子数が多いと種分化が起こりやすく、他の場合は起こりにくいまたは変化しないと一定ではなかった。また、全体の個体数による顕著な影響は検出できなかった。このように、ロバストな要因とセンシティブな要因が複雑に絡み合っていることが明確になった。 実証的研究では、小笠原の現世陸生貝類のミトコンドリアDNA及び化石陸生貝類のシェルの色調・形態から形質置換・頻度依存淘汰及び進化速度の上昇などを推定できた。このように、環境条件・移出入の歴史などを考慮した小笠原の陸生貝類の進化史の再構成を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Hasegawa,H.Takatani,J.Yoshimura: "Application of Power-law Formalism Method to Equilibrium Computation of the Vapor Growth Epitaxy"Chem.Eng.Japan. 32(4). 506-513 (1999)
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[Publications] M.Shiyoni,J.Yoshimura: "Measure of spatial heterogeniety for plant occurrence or disease incidence with finite-count"Ecological Reseach. (in press). (2000)
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[Publications] M.Kawata: "The effects of dispersal behavior in group selection"Evolutionary Ecology Research. 1. 663-680 (1999)
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[Publications] M.Kawata,H.Agawa: "Perceptual scales of spatial heterogeneity of periphyton for freshwater snails"Ecology Letters. 2. 210-214 (1999)
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[Publications] S.Chiba: "Accelerated evolution of land snails Mandarina in the oceanic Bonin Islands : evidence from mitochondrial DNA sequence"Evolution. 53. 460-471 (1999)
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[Publications] S.Chiba: "Character desplacement,frequency-dependent selection, and divergence of shell colour in land snails Mandarina(Pulmonata)"Biological Journal of the Linnear Society. 66. 465-479 (1999)