1999 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化発症抑制性に働く血小板由来増殖因子受容体細胞内シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
11838002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 聖二郎 千葉大学, 医学部, 助手 (50270848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 康 千葉大学, 医学部, 教授 (50101358)
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Keywords | 動脈硬化 / 血小板由来増殖因子 |
Research Abstract |
我々は、動脈硬化症の分子レベルでの発症機序解明ならびにそれに基づいた新しい治療法の開発を目指して、血小板由来増殖因子(PDGF)の細胞内シグナル伝達機構の解析を進めてきた。その過程で我々は、PDGFα受容体は細胞遊走抑制シグナルを伝達し、このシグナルは他の遊走刺激に協力に拮抗して細胞の遊走を阻害すること、及びこのシグナルα受容体に特異的に存在する自己リン酸化部位を介して伝達されることを発見した。本研究は、我々の樹立したリン酸化チロシン含有合成ペプチドに対する親和性を利用した蛋白精製法を用いて、PDGFα受容体上に存在する細胞遊走抑制作用を媒介する自己リン酸化部位に結合する細胞内シグナル伝達物質の精製・同定を企図したものである。我々は既に、α受容体の細胞遊走抑制作用を媒介する自己リン酸化部位のアミノ酸配列を有するペプチドに対する親和性を利用して、大量のHela細胞溶解液より細胞内の結合蛋白を精製した。この蛋白はその部分アミノ酸配列から、既知のニワトリの発癌遺伝子産物に類似の構造を有する物質であることが判明した。この物質はα受容体とは結合するが、β受容体とは結合しなかった。そこで本年度は、このα受容体特異的シグナル伝達因子の完全長cDNAをクローニングし、その全一次構造を明らかにする作業を行っている。
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[Publications] Taro Matsumoto: "Platelet-derived growth factor activatees p38 mitogen-activated protein kinase through a Rasdependent pathway that is important for actin reorganization and cell migration"J. Biol. Chem.. 274. 13954-13960 (1999)
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[Publications] Minoru Takemoto: "Enhanced expression of osteopontin by high glucose in cultured rat aortic smooth muscle cells"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 258. 722-726 (1999)