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1999 Fiscal Year Annual Research Report

室町・戦国時代の北方世界における新仏教の発展と住民移動・社会変容

Research Project

Project/Area Number 11871051
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

齊藤 利男  弘前大学, 教育学部, 教授 (90162213)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小口 雅史  法政大学, 第一教養部, 助教授 (00177198)
誉田 慶信  岩手県立大学, 盛岡短期大学部, 助教授 (00310144)
鐘江 宏之  弘前大学, 人文学部, 助教授 (80272433)
Keywords本願寺教団の北方布教 / 絵像本尊・名号裏書 / 布教と住民移住
Research Abstract

本年度は、重点課題である室町・戦国時代における本願寺教団の北方布教の実態を示す資料の収集につとめた。方針は、(1)史料集からの資料収集、(2)「本願寺史」作成時の収集史料から未紹介資料を発見すること、(3)浄土真宗寺院を訪問し資料調査を行うこと、の3つであった。このうち(1)(2)は順調に執行し、(3)も、秋田県横手市・六郷町、青森県弘前市・尾上町、広島県東広島市(西品寺)の諸浄土真宗寺院の縁起や法物の調査を行うことができた。その結果、明らかになったのは次のことである。
1、北東北の浄土真宗寺院については、絵像本尊、六字・九字名号、宗祖御影などの一次資料が、裏書とともに、かなりの数で残されている。それらによると、北方布教の最初の波は15世紀後半、第2波が16世紀前半、第3波は16世紀後半の天正年間、北奥羽の地に押し寄せた。これは縁起・由緒書の記述とも一致する。そのルートは、日本海を北上し蝦夷ヶ島に至るルートと、陸路太平洋側を北上して北上盆地に達し、奥羽山脈を越え横手・大曲盆地に至る2ルートがあった。そうした中で、従来から指摘されていた秋田湊・油川湊などの港湾都市とともに、斯波御所の本拠地紫波(岩手県日詰)や波岡御所の本拠地津軽波岡(青森県浪岡)など、京都と密接な繁がりを持つ名門領主の本拠地が、布教活動の上で重要な位置を占めることが明らかになった。
2、同時に、これら一次資料と、後世に編纂された縁起・由緒との間にズレがあることも明らかになった。これまで一向宗の布教史は、とかく縁起・由緒がそのまま引用される場合が多かったが、今後は厳密な史料批判が必要になってくる。そこには室町・戦国時代の布教の実態と、近世初期〜前期に行われた教団や諸寺院本末関係の再編による変化が反映されていよう。その分析については、さらなる史料収集とともに次年度の課題となる。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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