2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体結合量子ドット構造による疑似神経回路網の作製
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11875071
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤木 宣彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023330)
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Keywords | メゾスコピック / 神経回路網 / 微小FET / 電子波束 / トンネル効果 / パーコレーション / 量子井戸 / 表面プラズモン、 |
Research Abstract |
消費電力が大きな従来型の計算機システムの弱点を克服するための結合量子井戸構造における波動関数の変化を利用する新しい演算システムの構築の可能性を探ることを目的とする。 1.結合ドット構造への電子波束の注入法を探るため、磁場中の量子ディスク、量子細線における電子波束の運動を詳しく検討した。磁場が強い場合には波束の崩壊は起こらないこと、磁場に直交する電界を印可すると、波束は横方向へのドリフト運動を行うことがわかった。 2.電子線露光法により、砒化ガリウムにシリコンを原子層ドープした構造に微小電界効果トランジスタを作製した。チャネルの幅ならびに長さは100-500ナノメートルとし、サイドゲート構造とすることによりチャネルの伝導制御を試みた。ドレインには分岐点を設け、原子層ドープ構造におけるパーコレーション的な伝導の効果を見いだすことを試みた。しかし、今年度の実験ではそのような効果を見いだすことはできなかった。サイドゲートによるポテンシャル変調が十分でなかった可能性がある。 3.結合ドット構造からの信号の光による入出力の方法として、プラズモンポラリトンを用いる方法の有効性を検討した。半導体量子井戸構造の試料の表面に電子線露光法によって金属膜グレーティングを作製した。ヘリウムネオンレーザの光を特定の角度から入射することによって、半導体表面にプラズモンが励起できた。ついで、この角度付近で、量子井戸からの発光の強度が増加することを見いだした。量子井戸の励起子系と表面に局在した電磁波との相互作用の可能性が実証された。
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[Publications] M.Ishida: "Effect of an ionized impurity on the sequential tunneling transfer of an electron through quantum disk,"Semiconductor Science and Technology. 16. 129-135 (2001)
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[Publications] H.Takagi: "Confinement and transfer of a two dimensional wavepacket under crossed electric and magnetic fields,"Jpn.J.Appl.Phys.. 40(印刷中). (2001)