1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875173
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
五十嵐 哲 工学院大学, 工学部, 教授 (90005538)
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Keywords | 触媒調製 / 担持金属触媒 / 担持白金触媒 / 超音波照射 / 分散度 |
Research Abstract |
本研究は、液相系での担持貴金属触媒、とくに担持白金触媒の調製過程において、超音波を照射することによって白金の粒径制御と高分散化を図ることを目的としている。 触媒調製に際しては、粉末アルミナ(JRC-ALO-6)に塩化白金酸六水和物水溶液を白金担持量が1.0wt%となるように加えて撹拌後、0℃で超音波を照射しながら、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を還元剤として白金の液相還元操作を行なった。その後、洗浄、乾燥を経て、500℃での焼成を施し、成型、破砕してPt/Al_2O_3触媒を得た。同様にして、Pt/ZrO_2触媒とPt/ZnO触媒とを調製した。得られた触媒について、一酸化炭素の化学吸着法によりPt分散度を評価し、また蛍光X線回折装置によりPt担持量を求めた。 その結果、Pt/Al_2O_3触媒については超音波出力30WのときにPt分散度が0.896と最大となり、その値は無照射の触媒のPt分散度0.776に比べて約15%程度向上した。Pt/ZrO_2触媒では、超音波照射によりPt分散度を却って低下した。また、Pt/ZnO触媒については、超音波照射の効果は明確に得られなかった。それぞれの触媒についてのPt担持量と超音波出力の関係は、超音波出力を増加させると、Pt担持量を低下することがわかった。この原因として、あまり超音波出力が大きいと、担体に吸着した塩化白金イオンが、何らかの化学種となって液相中に溶け出して、Pt担持量の低下を招いたことが予想される。 以上、担持貴金属触媒の調製のために新たに超音波分散法を用いることによって、担体をア6ルミナとしたときにPt分散度の向上を図ることができた。今後は、超音波分散法の諸条件に加えることや、担体を変えたときの超音波処理効果の違いの原因を明らかにする必要がある。
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