2000 Fiscal Year Annual Research Report
Hammer-head型リボザイムによる遺伝子発現抑制の腎疾患への応用
Project/Area Number |
11877175
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, 医学部, 教授 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
水野 昭 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219641)
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10218349)
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Keywords | リボザイム / メサンギウム細胞 / 糖尿病 / 糖化終末産物 / RAGE / IV型コラーゲン / HSP47 |
Research Abstract |
腎糸球体硬化症は腎不全に陥る病態の中で最も重要なものであり、糖尿病性腎症や慢性腎炎など多くの疾患で示す病理所見である。この糸球体硬化症に対して新たな治療法の開発を目的とし、特にリボザイム法をほ乳細胞へ応用し病態抑止の効果を明らかにする。糖尿病合併症は糖化終末産物(AGE)が重要な増悪因子であり、その受容体(RAGE)を介して病態が進行していくと考えられる。従って抑止する分子として(RAGE)をtargetとし、このRAGEに対するhammerhead型リボザイムを形成し、腎メサンギウム細胞に導入し、その抑止効果の持続を検討する。一般にアンチセンスは一過性の発現のみであるので、臨床応用は難しく、腎障害における効果が期待できなので、その効果を持続させる必要がある。その目的でhammerhead型リボザイムを用い、細胞に導入し細胞内in vivoで転写させ、RNA合成を阻害させる。Target分子であるRAGEに対してメサンギウム細胞における発現抑制効果を検討した。発現抑制細胞でどれくらいの期間効果が持続するのか検討し、その抑制持続機序を解明した。他の遺伝子に対する影響も検討した。Mammalian細胞にhammerhead型リボザイムを導入し、効果をみることができた。これは持続的に抑制効果を示す事も証明できた。さらにAGE刺激での細胞外基質産生の増強効果の抑制を証明できた。 IV型コラーゲンは細胞外基質の主成分であり、その制御は糖尿病性腎症の進展予防における鍵となると考えられる。本研究ではAGE-RAGE系、IV型コラーゲンおよびその分子シャペロンであるHSP47の重要性を明らかにするものであり、リボザイム法はこれらの因子解明に大きな威力を示すことが明らかとなったが、腎疾患への応用へは今後の詳細な検討が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Imabayashi,T,: "Expression of basic helix-loop-helix proteins in the glomerule"Clinical Nephrology. 55. 53-58 (2001)
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[Publications] Murakami T: "Influence of the presence of OB-Re on leptin radioimmuno assay"Journal of Endocrinology. 168. 79-86 (2001)
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[Publications] Doi T: "The coutribution of mesangial cell proliferation to progressive glomerul ar injury"The Journal of Medical Investigation. 48(in press). (2001)