1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎透析患者におけるカルシウム代謝異常と歯周病罹患度との相関
Project/Area Number |
11877367
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部, 教授 (10127847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 規進 徳島大学, 歯学部, 助手 (10253212)
木戸 淳一 徳島大学, 歯学部, 講師 (10195315)
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Keywords | 歯周病 / 人工透析 / 骨粗鬆症 / CPITN |
Research Abstract |
徳島市内の専門病院において人工透析を受けている患者38名,および対照群として人間ドックを受診した健常者42名を被験者とした。調査内容に関するインフォームドコンセントを得た後,口腔内診査を行った。平均年齢は,透析群53.7±1.8歳,対照群49.8±1.1歳であり両群に有意差はなかった。透析群患者ではパノラマX線写真撮影を行い,歯槽骨レベルを測定した。その結果,歯周治療必要度の指標であるCPITN値は,透析群では2.4±0.1,対照群では1.9±0.1であり,両群間に有意差が認められた(p<0.05)。さらに各被験者のCPITNの最大値を比較すると,透析群では3.2±0.1,対照群では2.8±0.1であり,同様に両群間に有意差が認められた(p<0.05)。また,一人当たりの欠損歯数は,透析群では6.1±1.3本,対照群では2.8±0.8本であり,両群間に有意差が認められた(p<0.05)。これらの結果から,人工透析患者は健常者に比べ歯周治療の必要度が高く,欠損歯数も約2倍多いことが明らかとなった。一方,透析群患者における骨の吸収性病変の一指標である血中の副甲状腺ホルモン(PTH)濃度に注目し,PTHとCPITN値,およびPTHと残存歯槽骨量の相関関係を調べたが,有意な相関を見いだすことはできなかった。また,透析期間とCPITN値および欠損歯数との関連も調べたが,期間の長さとの関連も見いだせなかった。今後,他の指標との関連も追求する予定である。
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