1999 Fiscal Year Annual Research Report
下水道網を利用した静脈産業創出のための基盤技術開発
Project/Area Number |
11878071
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 高広 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60281747)
|
Keywords | 水素 / 生分解性プラスチック / 乳酸 / ポリーβ-ヒドロキシ酪酸 / 灌流培養システム / セラミック濾過膜 / バイオリアクター / 光合成微生物 |
Research Abstract |
環境維持に不可欠な静脈産業の基盤技術を創出するために、微生物のもつ浄化と生産機能を従来の数十倍〜数百倍の効率で利用できる社会システムを構築してゆくことで、日常生活の消費活動にともない環境が浄化されるような物質変換技術を確立することを目的に研究に取り組んでいる。これまでに、食品加工廃棄物である廃糖密を原料として、嫌気性細菌によるクリーンエネルギー源としての水素の生産、生分解性プラスチックの原料としての乳酸の生産、さらに、発酵副産物として生成した有機性廃液を原料として光合成細菌により水素を生産する方法と、廃水処理菌群により生分解性プラスチック原料(ポリ-β-ヒドロキシ酪酸:PHB)を生産する方法、および培養に伴い発生する炭酸ガスを光合成微生物により固定する方法を検討した。いずれの培養系においても、反応速度を高めるために培養槽内の菌体濃度を高めることを目的に、セラミック精密濾過膜を内装したバイオリアクターを利用した灌流培養システムを用いた。灌流培養システムでは、菌体を槽内に留め徐々に濃縮するとともに、培養上澄み液を連続濾過交換することで、原料廃水の浄化処理と目的物質生産を並行して行うことができる。その結果、廃糖蜜からの連続水素生産では従来法の生産性を5倍近く上回ることが可能となり、また、廃糖密からの連続乳酸生産も高速で行うことが可能となった。さらに、廃水処理と並行したPHB生産も実現可能であることを実証した。一方、光合成菌による水素生産や炭酸ガス固定反応系でも灌流培養法により従来法を上回る反応効率を達成できることが明かとなったが、菌体濃度を過剰に高めた場合には、培養液中の光の透過性が低下するために反応効率が低下することが判明した。これらの結果に基づき、環境有用微生物の共役的反応システムの開発を進めている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] RYO OHASHI: "Continuous production of lactic acid from molasses by perfusion culture of Lactoccus lactis using a stirred ceramic membrane reactor"Journal of Bioscience and Bioengineering. 87・5. 647-654 (1999)
-
[Publications] RYO OHASHI: "A mini-scale mass production and separation system for secretory heterologous proteins by perfusion culture of recombinant Pichia pastorius using a shaken ceramic membrane flask"Journal of Bioscience and Bioengineering. 87・5. 655-660 (1999)
-
[Publications] TOSHIAKI MORIMOTO: "Production of poly-β-hydroxybutyric acid by microorganisms accumulated from river water using a two-stage perfusion culture system"Journal of Bioscience and Bioengineering. 89・1. 97-99 (2000)
-
[Publications] 大橋 亮: "灌流培養装置の改良と連続乳酸生産"生物工学会誌. 77・11. 457-459 (1999)