1999 Fiscal Year Annual Research Report
BN-PAGEを用いた大腸菌膜プロテアーゼFtsH複合体の解析
Project/Area Number |
11878132
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
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Keywords | BN-PAGE / プロテアーゼ / タンパク質複合体 / 可溶化 / 膜タンパク質 / 大腸菌 |
Research Abstract |
本研究は膜プロテアーゼFtsHとその調節タンパク質の複合体を、膜に存在する状態を維持した(インタクトな)ままで解析することを目的としている。そのための必要な前提条件は、(1)膜に存在するFtsH複合体をインタクトなまま可溶化する条件の確立、(2)大腸菌タンパク質の解析におけるBN-PAGE法の確立、の二点である。しかし(1)について、残念ながら現在のところ有効な条件を確立し得ていない。digitonin,octylglucoside,NP-40などの比較的可溶化力の弱い界面活性剤を用いることでFtsH複合体は粗膜画分から可溶性画分へと移行するが、このサンプルをゲルろ過で調べると、FtsHは非常に大きな複合体分子(>1MDa)として溶出され、また、その溶出パターンはブロードであった。このことは、FtsHを含む複合体はインタクトな状態ではなく、FtsH複合体同志あるいは異種分子と異常に凝集している可能性を示唆している。しかし、より可溶化力の高いTriton X-100やTween20を用いると上記のような凝集は見られなくなるものの、逆にそのほとんどがモノマーと思われる分子量に溶出されるようになる。この状況を打破するためには、まず弱い界面活性剤を用いて可溶化した後、最小限度の可溶化力の高い界面活性剤を添加するなど、微妙な条件設定が必要であると思われる。(2)については、目的のタンパク質複合体の可溶化が完全であれば、BN-PAGEは大腸菌たんぱく質でも問題なく使用できる。ただ、上記のように大腸菌の膜タンパク質の可溶化条件が厳しく、このことがBN-PAGEの大腸菌における応用を難しくしている要因であると思われる。さらに条件を検討し、大腸菌におけるBN-PAGE法の確立を目指している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makino,S.: "Second transmembrane sebment of FtsH plays a role in its proteolytic activity and homo-oligomerization."FEBS Lett.. 460. 554-558 (1999)
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[Publications] Karata,K.: "Dissecting the role of a conserved motif (the second region of homology) in the AAA family of ATPases:site-directed mutagenesis of the ATP-dependent protease FtsH."J. Biol. Chem.. 274. 26225-26232 (1999)