2011 Fiscal Year Annual Research Report
純シリコン及びゲルマニウムをドープしたシリコン結晶の成長挙動のその場観察
Project/Area Number |
11F01049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇田 聡 東北大学, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Xinbo 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコン / 融液成長 / デンドライト成長 / 平衡形 / シリコンゲルマニウム / その場観察 / 固液界面 / 組成的過冷却 |
Research Abstract |
太陽電池や半導体基板用のシリコンバルク結晶は、キャスト法やチョクラルスキー法のような融液成長法により作製されている。高品質なバルク結晶を作製するためには、シリコン融液からシリコン結晶が成長するメカニズムの基礎的理解が不可欠である。本研究は、シリコン結晶の融液成長において、従来不明であった、デンドライト成長メカニズム、ゲルマニウムをドーピングしたシリコン結晶の固液界面形状形成メカニズム、およびシリコン結晶の平衡形・成長形を解明することを目的とした。これらの課題を解決するために、融液成長過程のその場観察装置を用いた実験を行った。 本研究により、デンドライト結晶の成長速度と双晶間隔の関係、成長速度と過冷却度の関係が実験的に明らかにされ、デンドライト結晶の成長速度式を導出することに成功した。デンドライト結晶の成長速度は双晶間隔に大きく依存することが明らかとなった。また、ゲルマニウムをドープすると、組成的過冷却の影響により固液界面の不安定化が促進されることを明らかにした。固液界面の不安定化により、界面形状が平坦からジグザグ状のファセット界面へと変化する時の臨界成長速度に及ぼすゲルマニウム濃度の影響を明らかにした。さらに、シリコン結晶の成長形と平衡形を実験的に明らかにし、平衡形の解析からシリコンの各面の固液界面エネルギーを算出した。 以上の結果は、結晶成長の学術的な進歩に貢献する成果であり、また、高品質バルク結晶成長においても重要な知見となる。
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