2012 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム吸蔵合金を用いた水素貯蔵材料の特性制御技術の確立
Project/Area Number |
11F01068
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
市川 貴之 広島大学, 先進機能物質研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAIN Ankur 広島大学, 先進機能物質研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素貯蔵材料 / リチウムイオン電池 / メカニカルアロイング |
Research Abstract |
リチウムを含む合金として,第14族元素であるゲルマニウムおよびスズに注目し,その水素貯蔵特性に関して詳細に調査を行った。ゲルマニウム系に関しては,Li_<15>Ge_4(Li_<3.75>Ge)が,最も多くLiを含有する合金としてメカニカルアロイング法によって合成された。その後,水素化にともなってLiHの析出とともに,リチウムゲルマニウム合金からのLi原子の脱離が見られ,第一段階としてLi-Geの二元相図には現れない相が出現した。これは,Li_<14.10>Si_6(Li_<2.35>Si)に酷似した結晶構造であることが確認された。さらに水素化の進行とともに,LiHが析出したが,シリコンを用いた場合と異なり,LiHとGe相に完全に分離することはなく,Li_4Ge_2H(Li_2GeH_<0.5>)とLiHの二相が最終的な水素化状態であることが明らかとなった。この際の水素化に伴う二相平衡のプラトー圧力に対応するLiの脱離電位は,ネルンストの式とファントホッフの式を用いることによって,0.20Vおよび0.53V付近に現れることが明らかとなった。続いて,スズに関する研究では,メカニカルアロイングによってLi_<17>Sn_4(Li_<4.25>Sn)が合成されることが明らかとなり,水素化にともなって,Li_<13>Sn_5(Li_<2.6>Sn)および,LiSnまでLiが脱離してLiHを生成することが明らかとなった。同様にLiの挿入脱離電位は0.46Vおよび0.75Vであることが明らかとなった。 以上の結果は,リチウムを含む合金を利用して高容量の水素を吸蔵放出させる始めての系統的研究成果として,また,リチウムイオン電池の負極材料としての特性との相関性を明らかにした研究成果であり,それぞれ,J. Phys. Chem. Cに掲載され,J. Alloys Compd.に掲載が予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ge系合金およびsh系合金について系統的に実験を行い,それぞれの熱力学的特性の評価と制御について,一定の知見が得られた。これらの結果は論文として2件投稿し,2012年度末に掲載可の連絡を受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果をReviewとして執筆を行い,研究終了時期である2013年8月までに投稿を行って,新しい水素貯蔵材料の系としての認知をはかりたいと考えている。
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[Presentation] Destabilization of LiH by Li insertion into Ge2012
Author(s)
Ankur Jain, Erika Kawasako, Hiroki Miyaoka, Takayuki Ichikawa, Yoshitsugu Kojima, Ma Tao, Shigehito Isobe
Organizer
19th World Hydrogen Energy Conference 2012 (WHEC2012)
Place of Presentation
Toronto Centre Sheraton, Tronto, Canada
Year and Date
20120603-20120607
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