2012 Fiscal Year Annual Research Report
先端バイオマーカー技術を用いたサンゴ礁における粒子状物質の動態解析
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11F01075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 俊 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WYATT Alex 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | サンゴ礁 / 懸濁態有機物 / 粒子 / 八重山諸島 / バイオマーカー / アミノ酸 / 窒素循環 / 生態系 |
Research Abstract |
本研究は、サンゴ礁に対する窒素の負荷機構としてこれまで見逃されてきた、粒子状有機物の寄与を明らかにし、サンゴ礁における物質動態と生態系維持機構に関する理解を深化することを目的とする。本年度は、昨年度に実施した予備調査および手法検討の結果をふまえ、水塊追跡観測手法を用いた総合的な観測を石垣島シラホ礁において実施した。この観測では、栄養塩、有機物、酸素および無機態炭素のフラックスのサンゴ礁内での変動およびこの変動要因としての海水交換の役割を明らかにすることを目的とした。また、各態有機物の各種安定同位体測定用の試料の採取を実施した。調査は7月と1月に行い、粒子状物質動態の季節的な変動についての解析を進めた。得られたサンプルの分析を進めるとともに、調査海域の窒素循環における粒子状物質の量的な寄与についての推定を行った。また、シラホ礁でみられた現象の一般性を検証するために、フィリピンのプエルトガレラにおける調査を9月と3月に実施した。この調査地は、半閉鎖的なサンゴ礁における物質動態を調べるのに適しており、外海との海水交換によって引き起こされる物質輸送が、サンゴ礁生態系に及ぼす影響を明らかにするための基礎的情報を得ることができた。また、粒子の動態が生態系に及ぼす波及効果を調べるために、プランクトン食性魚類のサンプリングを行った。これらのサンプルは、バイオマーカー同位体比の測定に供する予定である。以上の研究成果の一部を国際学会において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるサンゴ礁の物質循環における粒子状有機物の役割についての観測と得られた試料の分析が順調に進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、フィールド観測を引き続き実施するとともに、これまでに得られた試料の分析およびデータの解析を行う。得られた結果を論文にまとめる。
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Research Products
(2 results)