2012 Fiscal Year Annual Research Report
アマランサスにおけるデンプン合成酵素遺伝子群とその応用に関する研究
Project/Area Number |
11F01212
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
西川 智太郎 独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARK Y-J 独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | アマランサス / 種子貯蔵デンプン / デンプン合成酵素 / 低アミロース性 |
Research Abstract |
アマランサスにおけるデンプン合成酵素遺伝子群の解明及びアマランサスの利用の高度化を目的として、以下の研究を実施した。 1.アマランサスにおける低アミロース性の合成メカニズム解明:GBSSII遺伝子を確認することはできなかった.現在,デンプン呈色反応で低アミロース性を示す原因として,アミロペクチンの超長鎖の確認を進めている.A. cruentus(PI 433228)のSSSII,SBE遺伝子を同定した.SSSII,SBEは種子発達過程を通じて,貯蔵器官および非貯蔵器官において継続的に発現していた.世界各地に由来する68系統の子実用アマランサスのSSSIを同定し,GBSSIの多様性情報と合わせてそれぞれの種に固有な制限酵素認識配列を検索し,栽培3種の同定が可能なマーカーを作成した. 2.低アミロース性品種の作出:M3栽培および調査を行い,これまでに早生性を示す3系統を確認した.今後,残りの系統の形質調査を継続して行うと共に,早生変異系統については早生形質の安定性について確認する. 3.加工適性および食味試験評価:性質の異なるアマランサス(モチ性,ウルチ性,低アミロース性)の,生粉およびポップ粉の物性の違いを明らかにした.その結果,モチ性の生粉は小麦粉に非常に類似した特性を示し,小麦粉代替素材として利用できる可能性があること,モチ性ポップ粉は,水を加えてこねると小麦粉のパン生地のような状態になるため,パン加工やクッキーの生地等への応用できる可能性があること等を明らかにした。食味試験評価を,モチ性,低アミロース性およびウルチ性の3系統で,白米との混炊による食味評価試験を行った結果,低アミロース性の評価が高かった.今後嗜好性の高い品種を普及させることにより,消費者の利用拡大に繋がる可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子同定及び多様性解析,低アミロース性の解析については若干の遅れが見られるが,これらは解析終了の見込みが立っており問題は無い.その他については問題は無く,本課題は研究の目的に対して,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
アマランサスのデンプン合成酵素遺伝子についてさらに解析を進め、各遺伝子の同定及びその多様性について明らかにする。また突然変異系統の作出・評価から,有用な系統の選抜を進めるとともに,アマランサス子実及び粉末の物性及び食味試験等の解析を進め、機能性作物として有用なアマランサスの,さらなる普及を目指す.
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Research Products
(3 results)