2011 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマーを鋳型とした量子サイズヘテロ金属微粒子の合成
Project/Area Number |
11F01342
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山元 公寿 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KANG Linchen 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | デンドリマー / フェニルアゾメチン / クラスター |
Research Abstract |
四塩化チタンによる脱水縮合と過マンガン酸カリウムによる酸化反応を繰り返すことで精密金属集積能を有するフェニルアゾメチンデンドロンを合成した。続いて小さな4置換コアであるテトラフェニルメタンと脱水縮合することでクラスター保持能に優れると期待される第4世代のデンドリマー(TPMG4)を合成した。 TPMG4とルイス酸との錯形成挙動の観測を紫外・可視吸収スペクトル(UV-vis)測定によって確認した。デンドリマーのクロロホルム:アセトニトリル=1:1溶液に対して塩化白金(IV)のアセトニトリル溶液を滴下していった所、錯体吸収の増加とアゾメチン由来の吸収の低下が見られた。この反応における等吸収点を詳細に分析した所、最初の4当量に続いて8当量、16当量、32当量の金属の滴下に従って等吸収点がシフトしていることが明らかとなった。この等吸収点のシフトに要した塩化白金(IV)の当量とデンドリマーの内層からのイミン数が一致したことから塩化白金(IV)がデンドリマーに対して内層から放射状段階的に錯形成していることが明らかとなった。 次に、同様のUV-visタイトレーションを滴下金属を塩化金(III)に変更して行った。塩化白金(IV)の場合と同様に金属の滴下に従って錯体吸収の増加とアゾメチン由来の吸収の低下が見られた。等吸収点の分析から塩化金(III)もTPMG4デンドリマーに対して内層から放射状段階的に錯形成していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、デンドリマーの合成と複数金属の放射状段階的錯形成の確認に成功しており、当初計画通りにおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りにデンドリマー内に複数の金属を同時に集積するヘテロ集積に関しての研究を推進する。さらに、白金を中心として集積金属の還元とクラスター作製を行ってその触媒能などの性質を明らかとする。
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