2011 Fiscal Year Annual Research Report
電気光学的手法による量子ドット励起子のスピン状態制御に関する研究
Project/Area Number |
11F01356
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARBORD Edmund 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / 励起子 / スピン / 偏光 |
Research Abstract |
量子ドットは、レーザや単一光子発生素子を中心にした次世代フォトニックデバイスの基本構造であることに加えて、量子情報技術の基礎となる量子ビットを実現する構造として注目されている。本研究では、半導体量子ドット中の電子および正孔などのスピンの量子情報技術への応用を目指して、量子ドットにおけるスピン物性の探索を行うとともに、時間分解分光技術などを駆使したその制御技術の開発を目的としている。 量子ドット励起子スピンや正孔スピンの制御を実現するには、単一量子ドットの励起子、荷電励起子などの特性を詳しく知る必要がある。発光の偏光状態はこれらの情報を得るの有効な物理量である。本年度には研究室の顕微発光測定系を発展させ、偏光状態の精密測定を可能にすると共に、次年度に行なうスピン書き込みなどの実験の為、まずCW光励起における詳細な測定を行った。成長装置チャンバ内状態の予期せぬ状態変化のため、目的の実験のために、試料の量子ドット密度の低下が必要であり、結晶成長条件の再調整を行い光学実験に使用できる高品質単一ドット試料を準備することができた。この試料について励起波長や励起パワー依存性、磁場中における発光特性などの測定から、励起子荷電状態の同定を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度の実験につながる単一量子ドット中の励起子、荷電励起子などに関する基礎的特性評価が実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
発光の偏光特性の詳細な測定・解析を行い、量子ドット励起子や励起子分子、荷電励起子のスピン特性の詳細を明らかにする。同時に、時間分解測定技術を用いた量子ドットホールスピンの寿命計測、量子ドット正孔スピンの動的制御、正孔スピンへの書き込みとその読み出しを実現するための基盤研究を行う。
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