2012 Fiscal Year Annual Research Report
走査型カー回転分光によるシリコン中の空間電荷効果の検出
Project/Area Number |
11F01358
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白石 誠司 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DELMO MichaelPicazo 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気抵抗効果 / 空間電荷効果 / P型シリコン / 磁場による電子・ホール密度比制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、走査型カー回転分光とスピン注入を用いてシリコン中の空間電荷効果(電子密度・電場の不均一性)を検出し、シリコンで空間電荷によって誘起される大きな磁気抵抗効果のメカニズムを明らかにすることにある。平成23年度(1年目)の計画の引き続きでシリコンデバイスの作製を行いつつ、空間電荷効果と磁気抵抗効果の評価を行い、実験を確立する。そして、今年度(2年目)から三端子のシリコンデバイスを作製し、シリコンデバイスへのスピン注入と検出の実験を行う予定だったが、p型シリコンで低磁場において大きな磁気抵抗効果が発現することを発見したため、この新発見の起源とメカニズムを明らかにするために今年度の実験を進めてきた。p型シリコンは、高抵抗でキャリア密度が約2×10^<12>cm^<-3>)であり、インジウム電極とオーミックコンタクトを作製して高電圧を印加すると、p型シリコンに電子注入が可能になる。その伝導領域は空間電効果が支配的であり、磁気抵抗効果を測定すると、低磁場(250millitesla以下)でもp型シリコンは磁気抵抗が約80%にもなり、しかも磁場の変化に対して磁気抵抗がリニアに変化することがわかった。その大きな磁気抵抗効果は、メカニズムが磁場による電子・ホールキャリア密度比制御であり、p型シリコン中に注入した電子の拡散は磁場の印加によって抑制されるとわかった。このメカニズムはこの研究で初めて明らかになった田。さらに、この磁気抵抗かは、スピンデバイスの巨大磁気抵抗効果(GMR)と匹敵する大きさで、低磁場センサーへの応用に期待を集めている。 [1]Delmo, M. P., Shikoh, E., Shinjo, T., &S hiraishi, M. Physical Review Letters, submitted.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度(2年目)から三端子のシリコンデバイスを作製し、シリコンデバイスへのスピン注入と検出の実験を行う予定だったが、電子を注入して空間電荷効果状態にあるp型シリコンデバイスにおいて、低磁場でも大きな磁気抵抗効果が発現することを発見した。この新発見を追求したために、実験計画の進展はやや遅れました。その大きな磁気抵抗効果は、磁場による電子・ホール密度の制御によるものとわかりました。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度から引き続き、微細加工したシリコンデバイスの作製を行いつつ、空間電荷効果と磁気抵抗効果の評価を行い、メカニズムを明らかにする。シリコンデバイス作製にあたっては、フォトリソグラフィーと超高真空蒸着を用いてシリコン基板上にアンチモンドープした金を蒸着し、シリコン-金オーミックコンタクトを作製する。空間電荷効果の実験で、n型とp型のシリコン基板およびキャリア密度の異なるシリコン基板を利用する。さらに、Corbino Geometryを電極作製に導入することで、空間電荷効果による不均一性(inhomogeneity)がシリコン中に局所的ホール電場を引き起こすかを確認し、大きな磁気抵抗効果のメカニズムへの寄与を明らかにする。Corbino geometryではホール電場が生じないことがよく知られている。
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Research Products
(4 results)