2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01396
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 達彦 筑波大学, 生命環境系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASSANINASAB Azam 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
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Keywords | 微生物 / 分解 / 代謝 / 酵素 |
Research Abstract |
植物由来ポリフェノールの一種であるクルクミノイドに分類されるクルクミンは、カレーのスパイスであるウコンの黄色色素である。古来より食用として用いられ、近年、その生理作用と医学的有用性が盛んに研究されている。クルクミンの生理作用として、抗酸化作用や抗腫瘍作用、抗炎症作用、抗アミロイド作用などが知られている。クルクミン類縁化合物や代謝産物もまた様々な生理活性作用を示すことが強く期待されるが、これら化合物自身を合成・調製することが困難な状況にあるのが現状である。微生物のクルクミン分解・代謝微生物が産生するクルクミン代謝産物の構造を決定するとともに、クルクミン代謝酵素・経路を利用して、クルクミンから有用物質生産プロセスを開発することを目的とする。 我々は、これまでクルクミンを(ジヒドロクルクミンを経由して)テトラヒドロクルクミンに変換する能力を保持する微生物を単離しているが、このクルクミン変換産物とは異なる反応産物を生産すると示唆されるクルクミン分解菌について、(炭素源資化性試験、窒素源資化性試験、糖類発酵化試験、ビタミン要求性試験、温度耐性試験、薬剤耐性試験などの)生理・生化学的性状、光学顕微鏡による形態観察およびリボソームRNA遺伝子系統解析などから2種の菌株の同定を行った。両者はどちらも(我々がクルクミン代謝菌として報告した)大腸菌とは異なる微生物であり、多様な微生物がクルクミン代謝に関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リボソームRNA遺伝子系統解析を行うために、リボソームRNA遺伝子をPCR増幅する必要があったがなかなか増幅しなかった。最終的に増幅に成功するまでにかなりの条件検討を行ったため、当初の目的よりやや遅れてしまったがおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に終了しなかった実験は平成24年度の最初に行い、遅れを取り戻すべく研究を行う予定である。
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