2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞チップを用いた抗原特異的T細胞の迅速・高効率な検出・作製法の開発
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11F01415
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIN Aishun 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 外国人特別研究員
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Keywords | がんの免疫療法 / がん抗原特異的T細胞 / T細胞受容体 / マイクロアレイチップ |
Research Abstract |
近年、抗癌剤が無効な癌を対象として、癌抗原ペプチドを用いて患者の体内の癌特異的T細胞を活性化し癌細胞を傷害する癌ペプチドワクチン療法や、癌特異的T細胞を用いて癌細胞を傷害する免疫細胞療法などの免疫療法が注目を集めている。 本研究では、申請者が確立した画期的なリンパ球マイクロチップ法(Jin A. et al., Nature Medicine, 15: 1088-1092;2009)を応用し、癌特異的T細胞を迅速にかつ高精度で検出し、癌特異的T細胞を迅速に作製することができる基盤技術を開発することを目的とする。平成23年年度の研究成果は以下のとおりである。 (1)マイクロウェルアレイチップ上にてサイトカイン分泌細胞を検出する条件の検討した。サイトカイン(IL-2,IL-4,IFN-γ)に対する抗体をチップ上にコートし、各マイクロウェルにTリンパ球を播種し、PMAとCa2+ionophoreでリンパ球を活性化しサイトカイン産生を検出するシステムを確立するために、1)チップにコートする抗サイトカイン抗体の種類と量、2)検出に用いる蛍光標識抗サイトカイン抗体の種類と量、3)細胞を刺激し、サイトカインを分泌させる時間等について検討した。 (2)MHC/peptide tetramerを用いた抗原特異的T細胞の検出した。刺激条件を検討するために、ニワトリ卵白アルブミン(OVA)由来のペプチドがH-2Kb分子上に結合したMHC/ペプチドを認識するTCR(OT-1 TCR)を発現しているトランスジェニックマウスのTリンパ球を、抗サイトカイン抗体をコートしたマイクロウェルアレイチップに播種し、市販されているOT-1/H-2kb tetramerで刺激しサイトカインの分泌を検出するシステムを確立するために、1)刺激に用いるOT-1/H-2Kb tetramerの量と刺激時間、2)CD28抗体などの副刺激の種類および刺激量について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って研究を行ない、期待されるデータを蓄積してきている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロチップを用いたがん特異的T細胞の検出には、TCRに結合するMHC/pをどのような形にするかが課題であり、MHC/ペプチド・テトラマーを含め、多くの手法を試みる必要がある。
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