2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01753
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊山 修 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DARPOE Erik 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | モジュラー表現論 / テンソル積 / 直既約分解 / 2面体群 / 実可除代数 / 三つ組導分 / アイソトープ / Loewy長さ |
Research Abstract |
平成23年度の特別研究員の研究テーマは、主に2つに分けられる。 1つ目の研究テーマは、有限群のモジュラー表現論におけるテンソル積の研究である。C.C.Gillとの共同研究において、特別研究員は2面体2群であるものに対して、2つの表現のテンソル積のLoewy長さの公式を発見した。さらに現在進行中の研究において、2面体2群のある種の表現のテンソル積に対して、直既約分解の完全な記述を見つける問題に取り組んでいる。すでに特別研究員は、巡回2群の表現のテンソル積に対しては、完全な公式を発見する事に成功している。これらの研究成果を特別研究員は、岡山大学で開かれた「44th symposium on Ring Theory and Representation Theory」と上海交通大学で開かれた「Shanghai Conference on Representation Theory of Algebras」およびUppsala大学でのセミナーで講演を行い公表した。 2つ目の研究テーマは、必ずしも結合的と限らない、実可除代数の分類であり、これはJ.M.Perezとの共同研究である。与えられた可除代数Aに対して、三つ組導分の集合 Tder(A)={(d1,d2,d3)-d1(xy)=d2(x)y+xd3(y)} はリー代数の構造を持ち、さらにAはTder(A)加群の構造を持つ。Tder(A)が十分に大きい場合には、Aの加群としての構造は、Aの代数としての構造に関する重要な情報を与えてくれる。このアプローチを用いることにより特別研究員は、Aがある種の恒等式を満たす多くの場合に、交代的可除代数とアイソトープであることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の主要な目的である、実可除代数の分類への主なアプローチの一つは、リー代数の表現論を用いるものである。この方向において、特別研究員は三つ組導分を用いる事により、実可除代数がある種の恒等式を満たす多くの場合に、交代的可除代数とアイソトープである事を証明する事に成功している。故に、研究計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上の項目で述べたように、研究計画における表現論的アプローチの有用性が再確認された。今後は特別研究員は、多元環の表現論をより積極的に用いたアプローチをとって研究を行う予定である。
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Research Products
(5 results)