2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01753
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊山 修 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DARPOE Erik 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | モジュラー表現論 / 2面体群 / テンソル積 / グリーン環 / 高次元Auslander-Reiten理論 / 自己入射多元環 / n有限表現型 / n団傾加群 |
Research Abstract |
平成24年度における特別研究員の研究テーマは、主に2つに分けられる。 一つ目の研究テーマは、有限群のモジュラー表現論に関するものである。昨年に引き続き、Christopher C.Gillとの共同研究において、2面体2群の表現のテンソル積に関して研究を行った。極大巡回部分群の誘導表現を擬射影加群と呼ぶが、特別研究員は片方の表現が擬射影的である時に、テンソル積の分解公式を発見した。この研究成果に関して特別研究員は、静岡大学で開かれた「静岡代数学セミナー」で2回の招待講演を行い、また千葉大学の代数学セミナーでも講演を行った。現在、特別研究員は奇数次元の単列加群をはじめとする「ストリング加群」とよばれる重要なクラスの加群に対して、分解公式を見つける問題に取り組んでおり、今後も引き続き研究を行う予定である。 二つ目の研究テーマは、自己入射多元環の高次元アウスランダー・ライテン理論であり、これは受け入れ研究者との共同研究である。n有限表現型(=n団傾加群を持つ)自己入射多元環は重要な研究対象であるが、我々はその一般的な構成方法を発見した。これは「τ_n有限性」を満たす多元環の反復多元環とその自己同型を用いるものであり、古典的なRiedtmannによる有限表現型自己入射多元環の分類の一般化とみなすことが可能である。現時点で知られている全てのn有限表現型自己入射多元環は、この方法により再構成することが可能であり、さらに数多くの新しい例を得ることができる。このテーマに関しては今後も引き続き研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ある種の重要なクラスの加群に対して、テンソル積の分解公式を与えることに成功した。さらにn有限表現型自己入射多元環に関して、興味深い成果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
非結合的単純代数に対して、表現論的手法が非常に有用であることが確認されたため、現在、特別研究員は表現論の研究により重点を置いている。ゆえにテンソル積の分解公式と、n有限表現型自己入射多元環に関して、今後も引き続き研究を行う予定である。
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Research Products
(8 results)