2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01759
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅野 重樹 早稲田大学, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHMITZ Alexander 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 触覚 / コンプライアンス / 巧緻マニピュレーション / 把持 / リーチング / 人間ロボットインタラクション / 家庭用ロボット |
Research Abstract |
・目的 触覚は,ロボットが人間と日常の共有空間で協調作業を行う上で重要なスキルの要素となる.しかし,人間との協調に必要な触覚機能の実現は技術的に難しいため,十分な触覚を備えたロボットはほとんど存在しないのが現状である.本研究では,高機能な触覚を備えたロボットを対象として,信頼性や柔軟性を中心に,人間共存ロボットのための触覚制御の実際的な方法論を確立することを目指している. ・方法 本研究室で開発した人間共存ロボットTWENDY-ONEは,精巧な触覚機能を有するだけでなく,コンプライアンスを備えた多自由度系で構成され,さらに6軸力センサなど多種のセンサも装着されている.このロボットを用いて様々な作業,特に複数の対象物の連続的なハンドリングを行うことで,触覚機能を中心としたさまざまなセンサ系の融合とその制御の方法論について検討する. ・結果 この6ヶ月間では,実験に用いるロボットの性能を十分に発揮するための基礎的な準備を行った.具体的には,ロボットアーキテクチャーの理解,それを活かした触覚機能モジュールの組み込み方法検討,ロボットミドルウェア導入によるロボット触覚機能の標準化を進めた.特に,ロボットを動かすさまざまな運動制御系の統合はミドルウェアに依存する部分が大きいことから,ロボット全体のパフォーマンスが向上する導入の方法論を検討した. さらに,把持や衝突回避など,基本的なプランニングを触覚情報と連動して補完しながら実現する方法として,タブレットをヒューマンインタフェースとして用いた入力システムを設計した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始後まだ6ヶ月であるが,研究対象としているきわめて複雑なロボットの機能および制御系の理解などを含めて,順調に研究の準備を進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
触覚情報を取り入れたソフトウェアアーキテクチャの構築が重要課題となっている.そのために,いくつかの具体的な事例を対象にソフトウェアの開発を進める.例えば,ショッピングバッグ内から複数の物を取り出すこと,暗い中でのライトスイッチの探索などである.これらの動作は,触覚を通した対象物の情報取得が重要であるばかりでなく,同時にロボットのコンプライアンス制御との協調も不可欠である.21012年度からは,これらマルチモーダルな制御系のアーキテクチャ設計を開始する.
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