2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 至崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARRELL Daniel 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ホットキャリア / ナノ構造太陽電池 / 高速キャリアダイナミクス / 高速光応答 / 量子ドット |
Research Abstract |
本年度は、高効率ナノ構造太陽電池の実現に向けたデバイス数値解析ツールの構築を中心に行った。具体的には、中間バンド太陽電池材料における発光・非発光再結合レートを組み込んだ数値解析モデル、およびホットキャリアのエネルギー緩和ダイナミクスを考慮したホットキャリア太陽電池のデバイスモデルの構築の2つが主である。前者に関して、高指数面基板上に成長させたInAs量子ドットは整列性・サイズ均一性に優れ、また高い結晶品質が得られる結果、中間バンドを介した2段階の光吸収過程を室温で明瞭に観察することに成功しており、このデータを数値モデル化することを試みた。また量子ドットに不純物ドーピングを行うことにより、この2段階光吸収レートが増大することを確認しているが、不純物を介した非発光再結合も増大するため、競合する関係にあるといえる。この効果に関して、オージェ再結合過程を考慮した数値モデル化を検討した。後者では、ホットキャリアダイナミクスを取り入れた数値解析を行い、デバイス構造の最適化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子ナノ構造太陽電池の高効率化に向けては、量子ナノ構造中における光吸収、また電流として取り出されるまでのキャリアダイナミクスに関する研究の両方を並行して進めることが重要である。この点において、本研究は数値モデル化により理論と実験データの解析を目指すものであり、非常に順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
中間バンド型量子ドット太陽電池では、量子ドットにより形成される準位を介した2段階の光吸収過程を最大化させることが鍵となる。本研究において数値解析モデルの構築とデバイス構造の最適化を進める。またホットキャリア太陽電池では、エネルギー緩和時間が長寿命化する量子ナノ構造の設計とキャリアの取り出しが重要である。今後は、ホットキャリアダイナミクスの制御に関する研究項目を予定通り推進する。
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Research Products
(6 results)