2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 至崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARRELL Daniel 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ホットキャリア / ナノ構造太陽電池 / 高速キャリアダイナミクス / 高速光応答 / 量子ドット |
Research Abstract |
本年度は、まずInGaAs/InGaP系の歪み補償量子井戸太陽電池の最適設計を進め、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法により素子作製を行った。成長層はフォトルミネッセンス・時間分解分光などにより評価を行った。また、InGaAs/GaAsSb系のタイプII型ヘテロ構造量子ドットにおけるエネルギー移動機構の解明を進めることを目的とした積層構造を設計し、MBE法による試料作製を開始した。量子井戸・量子ドット太陽電池の両試料では、発光エネルギー分布の解析を行い、積層中の膜厚変調、面内密度の変調を行いながら太陽電池応用に最適な量子ナノ・超格子構造の最適化を行っていく必要がある。この目的のため、k-pモデルを用いた量子準位の計算を行うためのプログラムの開発を前年度に引き続き行うとともに、1kW/cm2以上の高い出力のレーザを用いた光学物性評価システムの構築を並行して進めた。また、ナノ構造中の量子準位により形成された超格子バンド、あるいはGaAsに窒素を数%添加した希釈窒化物化合物材料GaNAs中に形成される中間バンドにおいて、光キャリアが生成された後にどのような過程を経るのかという点について、時間分解分光法等によってサブピコ秒の分解能で追跡し解析するためのポンプ・プローブ法を検討した。引き続きポンプ・プローブ法により、価電子帯→中間バンド、また中間バンド→伝導帯への光学遷移の実証、および光吸収レートの定量化を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子ナノ構造太陽電池の高効率化に向けては、量子ナノ構造中における光吸収、また電流として取り出されるまでのキャリアダイナミクスに関する研究の両方を並行して進めることが重要である。この点において、本研究はk-p法による理論計算と実験データの解析を目指すものであり、これまで順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
中間バンドを使った太陽電池の高効率化のアプローチでは、中間バンド内のレベルに光キャリアが安定に存在し、またこれらが近赤外域の太陽光を吸収して伝導帯へと効率良く励起され、電流として取り出せることを室温で実証することが鍵である。次年度はなかでも熱的アップコンバージョン法を取り入れたホットキャリア太陽電池の高効率化を図る。そのために量子構造材料、またGaNAs多バンド材料中における励起キャリアのエネルギー緩和ダイナミクスを高速分光法により解析し、高いエネルギーの電子を効率良く電極から取り出すための方法に関する研究を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Towards hot-carrier driven up-conversion2012
Author(s)
D. J. Farrell, Y. Takeda, K. Nishikawa, T. Nagashima, T.Motohiro, and N.J.Ekins-Daukes, Y. Okada
Organizer
2nd High efficiency materials for photovoltaics workshop (第2回高効率太陽光発電材料ワークショップ)
Place of Presentation
インペリアルカレッジロンドン (イギリス)(Invited)(招待講演)
Year and Date
2012-09-17
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