2011 Fiscal Year Annual Research Report
改革の再構想 : 新しい安全保障問題に立ち向かう新たな方法
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11F01771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FRASER Trudy 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際安全保障 / 国連改革 / 人間の安全保障 / 保護する責任(R2P) / 国際刑事裁判所(ICC) |
Research Abstract |
2011年9月から2012年3月までの期間、一次及び二次データ収集に従事した。本研究は外部団体のイニシアチブと例を通して国連改革(または有効性が改善される手法)についての理解を促すことを目的としている。国連がその支配権優勢の構造による限界のために適切に予測できなかった安全保障問題について、国際刑事裁判所(ICC)と保護する責任(R2P)といった外部団体の創設とその後の有効性を調べたいと考えている。 2011年12月、ニューヨークの国連本部を訪れ、主な国連の実践者と分析担当官へのインタビューとダグハマーショルド図書館での文献調査を行った。この間、国連で行われた「未来の国際刑事裁判所検事の挑戦(Challenges for the Next Prosecutor of the ICC)」会議に出席した。また、上記調査の折にピッツバーグに寄り、ピッツバーグ大学とカーネギーメロン大学の研究協力者を訪問してきた。加えて、カーネギーメロン大学ではネットワーク分析のためのグラフ理論の講習を受けた。これは後ほど研究に国連での投票行動と結果を分析するために用いる予定である。 2012年2月は、国連大学と早稲田大学共催の「人間の安全保障と自然災害Human Security and Natural Disasters」ワークショップに参加した。 2011年11月14日には「21世紀の国際平和と安全保障:国連の見解International Peace and Security in the 21st Century:A UN Perspective」という題目で東京・慶応義塾大学にて講義を行った。また、2012年3月26日には英国オールドメルドラムのメルドラムアカデミーにおいて、「今日の国連The UN Today」という題目で講義を行った。 初年度の予算は当初の予定通り、一次、二次データ収集に充てられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自身の研究は計画通り進行しているが、興味深い方向に多様化している。自身の当初の研究は国連の安全保障理事会の有効性と人間の安全保障に関する国連改革のプロセスの理解の向上を探っていた。ニューヨークで初めての研究インタビューが成功し、2012年8月にアメリカ・サンディエゴで開催される国際関係学会(ISA)年次会議にて最初の研究結果を発表予定である。 自身の機関や人間の安全保障における興味は、様々なパートナーと協力して行っている二つのプロジェクトに発展している。一つは国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)のVesselin Popovski氏と活動しているプロジェクトであり、これは法律化された体系としての安全保障理事会の役割の程度と影響を調査するものであり、二つ目は米国カーネギーメロン大学のColleenStuart氏と活動している人権規範の機関的審判者である人権理事会の有効性を分析するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究ステージとしては、2013年10月予定している人間の安全保障の現地調査である。2012年1月よりイギリスPalgrave MacMillan出版社と「今日の国連:世界の人間の安全保障The UN Today:Human Security in a World of States.」と題した著書の契約があり、2013年夏には出版される予定である。
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Research Products
(3 results)