2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01772
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岩田 伸人 青山学院大学, 経営学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE LisaYu-ting 青山学院大学, WTO研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | バイオ燃料 / エネルギー / 経済 / アフリカ / renewable energy |
Research Abstract |
2011年度においてはアジア地域やラテンアメリカ地域に視点を広げつつ、アフリカ地域におけるバイオ燃料産業に関する草案をまとめた。このアフリカ地域におけるバイオ燃料産業の調査により、伝統的な土地の利権とバイオ燃料農場の開拓を狙う海外投資家との衝突が浮き彫りとなった。また。今回の調査では、バイオ燃料栽培地確保のために森林伐採が引き起こされることから、バイオ燃料は世界的な二酸化炭素削減への解決策にはふさわしくないということも明らかになった。この研究結果は国連大学高等研究所内で開かれたセミナーで発表された。 2012年1月、シドニー大学、ニューサウスウェールズ大学、オーストラリア国立大学の研究者を対象に面談調査を行った。将来的な共同研究の機会についても打診があった。 初年度における文献研究の結果と初期調査の結果にいくつかの合致点が認められた。その見解を実証するために、2012年3月にケニアとウガンダへ二週間の現地調査に赴き、30世帯以上を対象とする世帯調査や、現地ケニアの研究者(アフリカ技術研究センター、ナイロビ大学、ケニヤッタ大学)と共に面談調査を行った。集まったデータは研究対象の国々におけるバイオ燃料の真の役割を明示し、またその国々の研究者の考えを理解するのに有用なものとなった。専門家によれば、バイオ燃料作物は東アフリカの各地で試験的におこなわれたものの、期待された生産高の高さとは裏腹に、石油に代わるエネルギーとしてはわずかな効力しか持たないことがわかった。試験的な農場は非常に低い生産性を示し、バイオ燃料生産の実現困難性を色濃くした。 2011年度の現地調査および研究はバイオ燃料産業の可能性についてより深い考察を導くものとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は元々の目的に従い、予定通りに進行中。 時間的な制約と研究テーマの複雑さのため、次年度には研究対象の国々を絞ることも可能。
|
Strategy for Future Research Activity |
バイオ燃料のテーマは複雑で国ことに大差があり、政治的背景を理解する必要があるが、それには相当の時間を要する。そのため、有用な結論を導くために、相似した政治的背景をもつ特定の地域に絞る必要がある。一国のバイオ燃料の有効性を理解するには、その国のエネルギーの利用、将来的な需要を理解することが必要である。エネルギーの利用と政策、代替エネルギーの実現可能性に関するデータ収集のため、さらなる現地調査を行う予定。
|